マラソンの疲れが取れない原因は?走り込み期の疲労を残さない回復方法
10月は秋・冬のフルマラソンに向けて走行距離を伸ばすランナーが増える時期です。
一方で、「朝起きても脚が重い」「ジョグなのにいつもよりきつい」「休んでも疲れが取れない」と感じることもあります。
マラソン練習では走り込むことだけでなく、次の練習までに身体を回復させることもトレーニングの一部です。
疲労が抜けない状態でさらに距離や強度を増やすと、パフォーマンス低下や故障につながる可能性があります。
この記事では、マラソンの疲れが取れない主な原因と、走り込み期に取り入れたい休養・アクティブレストの考え方について解説します。
マラソンの疲れが取れないのは「走りすぎ」だけが原因ではない

マラソン練習後の疲労は自然な反応ですが、数日経っても脚の重さが続く、いつものペースが維持できないという場合は、トレーニングによる負荷に対して回復が追いついていない可能性があります。
走行距離だけでなく、睡眠や食事、仕事など日常生活の負担も含めて考えることが大切です。
走行距離や強度を増やしすぎると回復が追いつかなくなる
マラソンの走力を高めるには身体へ一定の負荷を加える必要がありますが、同時にトレーニングと回復のバランスを取ることが重要です。
MeeusenらによるECSS・ACSMの共同声明では、過度なトレーニング負荷に対して十分な回復が取れない状態では、パフォーマンス低下が長引く非機能的オーバーリーチング(NFOR)が起こる可能性が示されています。
また、より長期的なパフォーマンス低下などを伴うオーバートレーニング症候群(OTS)との区別は難しく、疲労感など一つの症状だけで判断できるものではありません。
10月の走り込み期だからといって毎週走行距離を増やし続けるのではなく、普段よりペースが重く感じる、疲労感が長く続く、パフォーマンスが落ちているといった変化がある場合は、練習量や休養を一度見直しましょう(Meeusen R et al., <em>Medicine & Science in Sports & Exercise</em>, 2013)。
睡眠や食事が不足していても疲労は抜けにくい
ランナーの回復は、走っていない時間にも左右されます。
長距離走を増やしたのに食事量が変わらない、仕事が忙しく睡眠時間が短くなっているといった状態では、身体の回復に必要なエネルギーや休養が不足する可能性があります。
特にロング走や高強度練習の後は、炭水化物やたんぱく質を含む食事を取り、十分な睡眠時間を確保することが大切です。
「疲れているからもっと練習しなければ」と考える前に、最近の睡眠時間、食事量、仕事の忙しさまで含めて振り返ってみましょう。
疲れが取れない日はアクティブレストと完全休養を使い分ける

疲労回復というと「何もしないで休む」ことだけをイメージしやすいですが、疲労が軽い場合はウォーキングや軽いサイクリングなどで身体を動かす「アクティブレスト(積極的休養)」も選択肢になります。
ただし、強い筋肉痛や体調不良がある場合まで無理に運動する必要はありません。
アクティブレストは軽い運動で身体を動かす方法
アクティブレストとは、完全に身体を動かさず休むのではなく、ウォーキングや軽いサイクリングなど、低強度の運動を行う回復方法です。
Ortizらが競技者を対象とした26研究を検討したシステマティックレビューでは、6〜10分程度のアクティブリカバリーによって、その後のパフォーマンスに良い結果を示した研究がある一方、全体としてエビデンスは限定的で、最適な運動強度についても明確な結論は出ていません。
そのため、アクティブレストは「軽く動けば必ず疲労が早く取れる方法」と考えるのではなく、疲労の程度に応じて完全休養と使い分けることが大切です(Ortiz RO Jr et al., <em>Journal of Strength and Conditioning Research</em>, 2019)。
疲労が強い日は思い切って走らない
「月間走行距離を減らしたくない」という理由で、強い疲労がある日まで走り続ける必要はありません。
階段を下りるだけでも脚が痛い、安静時にも強い疲労感がある、いつものジョグペースが極端にきついといった場合は、完全休養を選ぶことも重要です。
また、疲労が長期間続く場合や、発熱、胸痛、強い動悸、息切れ、めまいなどを伴う場合は、単なるトレーニング疲労と自己判断せず医療機関へ相談してください。
低酸素環境を回復日の軽い運動に活用する方法

走り込み期には、「完全に休むほどではないけれど、さらにランニングで脚へ負担をかけたくない」という日もあります。
そのような場合、低い外的負荷で身体を動かす方法の一つとして、低酸素環境を利用したアクティブレストがあります。
低酸素環境では低い出力でも一定の心拍負荷を保てる
Liらがトレーニング経験のある男性12名を対象に行った2024年の研究では、運動によって疲労を誘発した後、通常酸素環境または標高約3,500m相当の常圧低酸素環境で、同程度の心拍数になるよう調整した60分間のサイクリングを比較しました。
その結果、低酸素環境では通常酸素環境より低いパワー出力でも、同程度の心拍負荷で運動できることが確認されました。
つまり、低酸素環境では心拍による身体への負荷を保ちながら、脚が発揮する機械的な運動負荷を抑えられる可能性があります(Li SN et al., <em>Journal of Sports Sciences</em>, 2024)。
一方、この研究では、低酸素環境での運動によって身体的パフォーマンスや主観的疲労の回復が速まる効果は確認されませんでした。
そのため、「低酸素環境でアクティブレストをすれば疲労回復が早まる」と断定することはできません。
走り込みで脚に疲労が残っているときに、脚への機械的な負荷を抑えながら身体を動かす方法の一つとして考えるのが適切です。
SOLERAなら走らずにウォーキングでアクティブレストができる
SOLERAでは、常圧低酸素環境でウォーキングなどの低強度運動に取り組めます。
走り込みで脚に疲労が溜まっている日は、さらにスピードを上げて走るのではなく、自分の体調に合わせて歩くことで身体を動かすことができます。
低酸素環境では通常とは異なる酸素条件になるため、速いランニングを追加することだけに頼らず、低い速度で身体へ刺激を加えられることが特徴です。
アクティブレストの目的は、休養日にも追い込むことではありません。
「今日は脚が重い」と感じる日は速度を落とし、心拍数や自覚的なきつさを確認しながら無理のない範囲で身体を動かしましょう。
完全休養が必要な日はしっかり休み、軽く動ける日はウォーキングを取り入れるなど、その日の疲労状態に合わせて調整することが大切です。
まとめ|マラソンの疲れが取れないときは走行距離より回復を優先しよう

10月の走り込み期に疲れが取れない場合は、「練習量が足りない」と考えてさらに距離を増やすのではなく、負荷と回復のバランスを確認しましょう。
睡眠不足や食事不足、仕事による疲労が重なることで、普段と同じトレーニングでも回復が遅れることがあります。
疲労が軽い日はウォーキングなどのアクティブレストを取り入れ、疲労が強い日は完全休養を選ぶなど、状態に合わせて使い分けることが重要です。
SOLERAでは、常圧低酸素環境でウォーキングなどの低強度運動に取り組めます。
現在の研究では低酸素環境そのものが疲労回復を早めるとは断定できませんが、通常酸素環境より低い外的負荷でも一定の心拍負荷を保てることが報告されています。
「月間走行距離を伸ばして脚の疲労が抜けない」「休養日にも脚へ大きな負担をかけず身体を動かしたい」という方は、走り込み期のアクティブレストの選択肢として、まずはSOLERAで低酸素トレーニングを体験してみてください。
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