高地トレーニングスタジオSOLERAのコラム
コラム
COLUMN

ランニングで疲れが取れない・抜けないときに ― 原因の切り分けと、医療機関へのタイミング

「以前は数日で抜けていた疲労が、最近ずっと残っている」――
ランニングを続ける層で繰り返し聞かれる悩みです。
原因はオーバートレーニング・睡眠不足・栄養不足・貧血など複数あり、中には医療的原因が背景にあるケースもあります
疲労が続く場合は必ず医療機関にご相談ください。
原因の切り分けと対処を整理します。

結論:慢性的な疲労は原因を切り分けて対処する

結論:慢性的な疲労は原因を切り分けて対処する

疲労が抜けないときの視点は次の3点です。

  • まず原因を切り分ける:オーバートレーニング・睡眠不足・栄養不足・貧血のどれか、あるいは複合
  • 数週間続く場合は医療機関へ:貧血・甲状腺機能異常・慢性疾患など医療的原因の可能性
  • 練習量を落とし回復を優先:疲労と戦って走り続けても状態は悪化する

「気合で乗り切る」で解決しないのが慢性疲労の特徴です。
原因を切り分け、必要なら医療機関を受診し、それでも運動不足由来の場合に生活習慣で対処するという順序が実践的です

疲労が抜けないときの主な原因

疲労が抜けないときの主な原因

オーバートレーニング症候群

練習量・強度が回復力を上回ると、身体が過剰なストレス状態に陥る「オーバートレーニング症候群」の可能性があります。
典型的なサインは以下の通りです。

  • 安静時心拍数の上昇(普段より 5〜10bpm 高い)
  • 睡眠の質の低下・寝つきの悪化
  • 練習中のペースが同じ強度なのに落ちる
  • モチベーションの著しい低下
  • 食欲不振・体重減少

オーバートレーニング症候群はエリート持久系アスリートの10〜60%が経験するとされており、安静時心拍数の上昇・パフォーマンス低下・気分障害・睡眠障害・免疫系・内分泌系・神経系の複合的な異常を特徴とすることが示されています(Meeusen R et al., Medicine & Science in Sports & Exercise, 2013, PMID: 23247672)。
これらが複数当てはまる場合、まず1〜2週間の練習量を大きく落とすことが基本対応です。
「休むと戻る」不安から練習を続けると症状が長引きます。

睡眠不足・睡眠の質の低下

疲労回復の中心は睡眠です。
深い睡眠中に成長ホルモンが分泌され、筋の修復と回復が進みます。
睡眠時間 7〜8時間の確保、質の高い睡眠(途中覚醒が少ない・深い眠り)が回復の土台です。
以下、睡眠の質を落とす要因例です。

  • 就寝前のカフェイン・アルコール摂取
  • 就寝直前のスマホ・PC操作
  • 不規則な就寝・起床時間
  • 就寝時の室温・光環境

睡眠の質の低下はグリコーゲン貯蔵の減少・免疫機能の低下・認知・気分への障害を引き起こし、オーバートレーニング症候群の主要な誘因となることが示されています(PMC11015874)。
これらの要因が睡眠の質を落とし練習の疲労を持ち越す原因になるとされます。

栄養不足 ― 糖質・タンパク質・鉄分

継続的なランニングは、エネルギー・タンパク質・微量栄養素の需要を高めます。
特に不足しやすいのは以下の栄養素です。

  • 糖質:練習のエネルギー源。極端な糖質制限はランナーには不向き
  • タンパク質:体重1kgあたり 1.2〜1.6g が目安。筋の修復に不可欠
  • 鉄分:ヘモグロビンの構成要素で酸素運搬に直結。特に女性は要注意
  • ビタミンB群:エネルギー代謝のサポート

慢性的なエネルギー不足と糖質枯渇がストレスホルモン・サイトカイン応答を増幅させ、オーバートレーニング症候群の誘因となりうることが示されており(Meeusen R et al., 2013)、糖質補充が非機能的オーバーリーチングの症状を改善しうることも確認されています
食事だけで補いにくい層は医師・管理栄養士に相談のうえサプリメントの検討も選択肢になります。

貧血の可能性 ― 医療的原因

疲労が抜けない背景に、鉄欠乏性貧血が隠れているケースがあります。
特にランナー特有の「スポーツ性貧血」(足底の衝撃で赤血球が壊れる現象)を含め、ランナーは一般人より貧血リスクが高い層とされます。
貧血の兆候として以下があります。

  • 練習中の異常な息切れ・動悸
  • 顔色の悪さ・爪の変色
  • めまい・立ちくらみ
  • 集中力の低下

持久系スポーツにおける鉄欠乏の有病率は女性アスリートで15〜35%・男性アスリートで3〜11%と報告されており、一般人口の約5%と比較して高い水準にあるとされています(Nolte S et al., German Journal of Sports Medicine, 2024, DOI: 10.5960/dzsm.2024.607)。
血液検査で診断がつくため、疲労が数週間続く場合は医療機関の受診が推奨されます。
特に女性・月経のある方は鉄欠乏リスクが高く、早めの受診が実践的です。

その他の医療的原因

疲労の背景には他にも医療的原因が想定されるケースがあります。

  • 甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症など)
  • 慢性疲労症候群
  • 感染症後の慢性疲労(インフルエンザ・COVID-19後の遷延症状など)
  • うつ状態・自律神経失調
  • 睡眠時無呼吸症候群

これらはいずれも疲労・パフォーマンス低下・気分障害という症状がオーバートレーニング症候群と重複しやすく、医師による鑑別診断が重要とされています(PMC12010411)。
自己判断で「運動不足」「気合の問題」と片付けず、疲労が数週間続く場合は医療機関を受診することが推奨されます。

原因の切り分けチェックリスト

原因の切り分けチェックリスト

数日単位の疲労 vs 数週間続く疲労

数日単位の疲労(3〜7日で自然回復)
– 長距離練習・HIIT後の一過性の疲労
– 睡眠不足・忙しい週の一時的な疲労
– 対応:練習量を落とし、睡眠と栄養で回復を待つ

数週間続く疲労(10日以上抜けない)
– オーバートレーニング症候群
– 医療的原因(貧血・甲状腺・慢性疾患など)の可能性
– 対応:練習を大幅に落とし、必要なら医療機関を受診

セルフチェックの目安

以下のうち複数が当てはまり、2週間以上続く場合、医療機関の受診が推奨されます。

  • 朝起きたときの疲労感が抜けない
  • 睡眠時間を増やしても改善しない
  • 練習中に以前より強く息切れする
  • 動悸・めまい・頭痛を伴う
  • 食欲不振・体重減少がある
  • 気分の落ち込みが続く

これらは医療的原因が背景にある可能性を示唆するサインです。
整形外科ではなく、内科・循環器内科・心療内科など、原因に応じた診療科への相談が実践的です

医療的異常がなかった場合の対処

医療機関で「異常なし」と診断された場合、生活習慣の見直しが対処の中心になります

  • 練習量を 4〜6週間、通常の 50〜70% に落とす
  • 睡眠時間を 8時間以上確保する期間を作る
  • 食事を素材ベースに戻す・糖質不足を解消する
  • 完全休養日を週 2〜3日に増やす

これらで 2〜4週間経過を見て、状態の変化を評価する形が実践的とされます。

予防と回復のアプローチ、低酸素環境の位置づけ

予防と回復のアプローチ、低酸素環境の位置づけ

練習日と休養日のバランス

疲労が抜けにくくなってきたと感じたら、まず練習日と休養日のバランスを見直します
40代以降は「週4回のラン+週3回の休養」が基本で、疲労蓄積を感じたら「週3回のラン+週4回の休養」に一時的に切り替える判断が有効です。
週あたりのトレーニング頻度が高いほどオーバートレーニング症状の自覚が増加しやすいとされており(Meeusen R et al., Medicine & Science in Sports & Exercise, 2013, PMID: 23247672)、回復日を非連続に設けることが慢性疲労の予防として推奨されています。

アクティブレストの活用

完全休養だけでなく、軽い有酸素(散歩・軽いジョギング・自転車)・ストレッチ・軽い筋トレなどの「アクティブレスト」も回復に有効とされます
最大運動後に軽い強度のアクティブリカバリーを行うことで、完全休養と比較して乳酸クリアランスが有意に速まることが示されており(Menzies P et al., Journal of Sports Sciences, 2010, PMID: 24739289)、血流を促進し筋の緊張を和らげる意義があります。

栄養と回復のタイミング

練習直後の糖質+タンパク質の補給が遅延補給と比較して筋回復・グリコーゲン回復を有意に早め疲労時間を短縮することが示されており(PMC12061868)、バナナ+プロテイン・おにぎり+鶏むね肉など消化の良い組み合わせが実用的です。
高ボリューム練習(90分超)後は運動後早期に体重1kgあたり約1.0〜1.2gの糖質を摂取することがグリコーゲン回復を最大化するとされています(Burke LM et al., Journal of Applied Physiology, 2017, PMID: 28062554;Alghannam AF et al., Nutrients, 2018, PMC5852829)。

低酸素環境という選択肢

当スタジオSOLERAでは、常圧低酸素環境でのトレーニングを提供しています。
標高2,000〜3,000mに相当する酸素濃度で、通常より低い運動強度で心肺系に刺激を与える設計です。
低酸素環境では低い運動出力でも内的負荷指標が維持されることが示されており(Li SN et al., European Journal of Sport Science, 2024, PMC11680552)、関節への負担を抑えつつ運動を継続したい層に活用されています
ただし慢性疲労が続いている状態での新しい運動導入は推奨されません。
まず原因の切り分けと回復を優先してから体調が整った段階での検討が安全です。
効果には個人差があり、既往のある方は医師にご相談のうえご検討ください。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

Q. 疲労が何日続いたら医療機関に相談すべきですか?

十分な休養を取っても2週間以上疲労が抜けない場合、医療機関の受診が推奨されます。
動悸・めまい・強い息切れ・体重減少などを伴う場合は、期間に関わらず早めに相談してください。

Q. どの診療科に行けばいいですか?

まず内科でご相談ください。
血液検査で貧血・甲状腺・肝腎機能などのスクリーニングが可能です。
症状に応じて循環器内科・心療内科など専門科への紹介を受ける流れが一般的です。

Q. サプリメントで対応できませんか?

医療的原因が除外されていない状態でのサプリメントは、根本原因の解決にならないケースがあります。
まず医療機関で原因の切り分けをしたうえで、必要な栄養素を医師・管理栄養士の助言のもとで補う形が安全です。

Q. 練習を続けながら回復できませんか?

軽度の疲労なら練習を続けながらの回復も可能ですが、慢性的な疲労では練習を大幅に落とすことが基本です。
「休むと戻る」の不安で走り続けると、症状が長引き、結果的により長い期間を失うケースが多く見られます。

Q. 女性のランナー特有の注意点はありますか?

女性は月経に伴う鉄分の喪失もあり、貧血リスクが男性より高い層とされます。
疲労が続く場合の血液検査は特に推奨されます。
また過度な減量による低栄養状態もパフォーマンス低下・疲労蓄積の原因となるため、栄養バランスを軽視しないことが実践的です。

まとめ:切り分け → 医療機関 → 生活習慣の順で

まとめ:切り分け → 医療機関 → 生活習慣の順で
  • 慢性的な疲労はオーバートレーニング・睡眠不足・栄養不足・貧血など複数原因の可能性。
  • 2週間以上続く場合、まず医療機関で貧血・甲状腺・その他の医療的原因を切り分ける。
  • 医療的異常がなければ、練習量を落とし睡眠・栄養で回復を優先する。
  • 回復が整うまで新しい運動導入は保留し、体調を戻すことを最優先に。

SOLERA は京都で常圧低酸素環境のトレーニングを提供しています。
慢性的な疲労が抜けた後、心肺機能への刺激を組み込みたい方は、無理のない段階でまずはSOLERAへお気軽にお問い合わせください
効果には個人差があり、既往のある方・疲労が続いている方は医療機関にご相談のうえご検討ください。
詳細は公式サイトからご確認いただけます。

まずはお気軽に!京都初の低酸素専門ジム「高地トレーニングスタジオSOLERA 京都四条烏丸店」で初回体験トレーニング受付中

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所在地: 〒600-8411 京都府京都市下京区水銀屋町620COCON KARASUMA3 階
最寄駅: 地下鉄烏丸線「四条駅」直結、阪急京都線「烏丸駅」直結
電話番号: 075-205-5044
営業時間: 平日 8:00〜21:00/土日祝 8:00〜19:00
定休日: 毎月5日・15日・25日

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