サブ4のペース配分|30km以降の失速を抑える走り方と心肺トレーニング
秋のフルマラソンでサブ4を狙うなら、「1kmを何分で走るか」だけでなく、42.195kmをどのように配分するかが重要です。
サブ4に必要な平均ペースは約5分41秒/kmですが、前半でタイムを稼ごうとして速く走りすぎると、30km以降に大きくペースダウンする可能性があります。
目標は前半に貯金を作ることではなく、後半まで大きく崩れないことです。
この記事では、秋の大会でサブ4達成を目指す市民ランナーに向けて、具体的なペース配分と、後半の失速を抑えるための心肺トレーニングについて解説します。
サブ4のペース配分は5分40秒/km前後が目安

サブ4とは、フルマラソン42.195kmを4時間未満で完走することです。
必要な平均ペースは約5分41秒/kmなので、実践では5分40秒/km前後を一つの目安にすると分かりやすいでしょう。
ただし、1kmごとに完全に同じタイムで走る必要はありません。
大会ではスタート直後の混雑、給水、アップダウン、風などによってペースが変化します。
1kmごとの数字にこだわりすぎず、レース全体として大きく崩れないペース配分を考えることが大切です。
5分40秒/kmなら約3時間59分でゴールできる
5分40秒/kmで42.195kmを走ると、単純計算では約3時間59分でゴールできます。
サブ4ぎりぎりとなる平均5分41秒/kmよりわずかに余裕があるため、本番でも目安にしやすいペースです。
| 距離 | 5分40秒/kmでの通過目安 |
|---|---|
| 5km | 28分20秒 |
| 10km | 56分40秒 |
| ハーフ | 約1時間59分30秒 |
| 30km | 2時間50分00秒 |
| 35km | 3時間18分20秒 |
| 40km | 3時間46分40秒 |
| 42.195km | 約3時間59分 |
ただし、GPSウォッチに表示される瞬間的なペースだけを見て、常に5分40秒/kmへ合わせる必要はありません。
上り坂で無理にペースを維持すれば、その分だけ身体への負担が大きくなる可能性があります。
1kmごとのタイムだけでなく、5kmごとの平均ペースや呼吸、脚の余裕も確認しながら走りましょう。
前半でタイムの「貯金」を作りすぎない
サブ4を狙っていると、「元気な前半に少し速く走ってタイムを貯金しておこう」と考えたくなるかもしれません。
しかし、序盤のオーバーペースには注意が必要です。
2015〜2017年のボストンマラソン完走者78,912人を解析した研究では、レース全体を比較的安定したペースで走ったランナーは、前半が速く後半に大きくペースダウンするランナーより、良好なフィニッシュタイムと関連していました。
特に3時間30分〜4時間30分のランナーでは、安定したペースで走ったグループは、後半に大きく失速したグループより平均13.2分速いフィニッシュタイムと関連していました。
ただし、これは観察研究であり、安定したペースそのものが速い記録の原因だと証明したものではありません。
サブ4を目指す場合も、「前半で稼ぐ」のではなく、「後半まで維持できるペースで走る」ことを意識しましょう(Dong Q, Li Z, PLOS ONE, 2026)。
サブ4では前半を抑えて30kmまで余裕を残す

サブ4のペース配分では、スタート直後から5分40秒/kmを切って走る必要はありません。
大会では周囲のランナーにつられて予定より速くなることがあるため、最初の数kmは少し抑え、身体が温まってから目標ペースへ近づけていく方法があります。
特に30kmまでは、「まだ少し上げられる」と感じる余裕を残すことを意識しましょう。
0〜5kmは5分45〜50秒/km程度から入る
ペース配分の一例として、スタートから5kmまでは5分45〜50秒/km程度で入り、その後は5分38〜42秒/km付近へ整えていく方法があります。
最初の5kmで数十秒〜1分程度遅れても、42.195km全体で考えれば大きな差ではありません。
それよりも、10kmや20km地点ですでに呼吸が苦しい、脚が重いという状態を避けることが大切です。
| 区間 | ペース配分の一例 | 意識するポイント |
|---|---|---|
| 0〜5km | 5分45〜50秒/km | 周囲につられず落ち着いて入る |
| 5〜20km | 5分38〜42秒/km | 呼吸と脚に余裕を残す |
| 20〜30km | 5分38〜42秒/km | 調子が良くても無理に上げない |
| 30〜40km | 5分40〜45秒/kmを目安 | 大きなペースダウンを避ける |
| 40km〜ゴール | 余裕があれば徐々に上げる | 残っている力を使う |
上記はあくまでペース配分の一例です。
コースの高低差、気温、風、給水、当日の体調や走力によって適切なペースは変わります。
特に秋の大会でも気温が高くなる日は、設定ペースだけにこだわらず、身体の状態に合わせて調整しましょう。
30km以降は「ペースを上げる」より「落としすぎない」
サブ4で重要なのが30km以降です。
ここから急にペースアップすることを狙うより、5分40秒/km前後から大きくペースを落とさないことを意識しましょう。
前述した大規模なマラソンデータでも、安定したペースは良好なフィニッシュタイムと関連しており、ペース変動が大きいランナーでは終盤に20%を超える大幅なペース低下がみられる割合が高い結果でした。
30km地点ですでに脚が限界という状態ではなく、「あと12kmならこの動きを続けられる」と感じられる程度の余力を残すことが、サブ4を狙うペース配分では重要です(Dong Q, Li Z, PLOS ONE, 2026)。
後半の失速を抑えるには心肺機能を底上げする

ペース配分を工夫しても、5分40秒/km前後を長時間維持する体力が不足していれば、30km以降は苦しくなります。
マラソン後半の失速には、前半のオーバーペースだけでなく、筋疲労、エネルギー不足、暑さ、脱水など複数の要因が関係します。
そのため、ロングランやペース走、補給の練習に加えて、心肺機能へ刺激を入れるトレーニングを組み合わせることが大切です。
低酸素トレーニングでVO2maxや換気性閾値の改善が報告されている
心肺機能へ普段とは異なる刺激を加える方法の一つが、低酸素環境でのトレーニングです。
Nakamotoらが長距離ランナー28名を対象に行った研究では、週2回・6週間の間欠的低酸素トレーニングを行ったグループで、VO2maxや換気性閾値、呼吸性代償点の改善が報告されています(Nakamoto FP, Ivamoto RK, Andrade MDS, de Lira CAB, Silva BM, da Silva AC.
Effect of Intermittent Hypoxic Training Followed by Intermittent Hypoxic Exposure on Aerobic Capacity of Long Distance Runners.)。
VO2maxは、身体が酸素を取り込み利用できる能力の上限を示す指標です。
マラソンのタイムはVO2maxだけで決まるものではありませんが、心肺体力を構成する重要な要素の一つです。
そのため、サブ4を目指すランナーにとっても、ロングランだけでなく心肺機能へ刺激を加えるトレーニングを取り入れることは、後半までペースを維持するための体力づくりにつながります。
SOLERAで30km以降のペース維持を支える心肺トレーニング
SOLERAでは、標高3,000m級に相当する常圧低酸素環境でトレーニングに取り組めます。
通常とは異なる酸素条件で身体を動かすため、「走行距離だけを増やすのではなく、心肺機能にも刺激を入れたい」「30km以降もサブ4ペースを維持できる体力をつけたい」というランナーが、普段のランニングと組み合わせて活用できます。
低酸素環境では、通常酸素環境より低い速度や出力でも身体への内部的な負荷が変化するため、走る距離やスピードを増やすことだけに頼らずトレーニングへ刺激を加えられることも特徴です。
秋の大会が近づき、走行距離を増やしすぎたくない時期のトレーニング方法を考えるうえでも、一つの選択肢になります。
ただし、「低酸素トレーニングをすれば30km以降の失速を必ず防げる」という意味ではありません。
2025年に35研究・524人を解析したシステマティックレビュー・メタ分析では、低酸素環境での有酸素トレーニングは、通常酸素環境で同様のトレーニングを行った場合と比べて、VO2maxや持久系パフォーマンスを明確に大きく改善する結果は確認されませんでした。
個別研究では心肺体力の改善が報告されている一方、研究全体では結果にばらつきがあります(Dorelli G et al., Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports, 2025)。
そのため、低酸素トレーニングだけで後半のペースダウンを防ごうとするのではなく、ロングラン、サブ4ペースでのペース走、適切な補給、休養などと組み合わせながら、後半のペース維持を支える心肺体力づくりに活用することが大切です。
まとめ|サブ4のペース配分は前半を抑えて30km以降まで崩さない

サブ4に必要な平均ペースは約5分41秒/kmです。
本番では前半からタイムの貯金を作るのではなく、最初の数kmを少し余裕を持って入り、身体が温まったら5分40秒/km前後へ整えていきましょう。
特に重要なのは、30km地点まで体力を残し、その後も大きくペースを落とさないことです。
「前半をどれだけ速く走れるか」ではなく、「30kmを過ぎても目標ペースに近い走りを続けられるか」という視点でペース配分を考えてみてください。
SOLERAでは、常圧低酸素環境を活用し、普段とは異なる酸素条件で心肺機能へ刺激を加えるトレーニングに取り組めます。
「秋の大会でサブ4を達成したい」「これまで30km以降に大きくペースダウンしてしまった」という方は、普段のロングランやペース走と組み合わせながら、後半のペース維持を支える心肺体力づくりの一つとして活用してみてください。
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