VO2maxの年齢別平均は?40代・50代の目安と体力を維持する方法
スマートウォッチに表示されたVO2maxを見て、「40代でこの数値は平均より高い?」「50代になって下がってきたけれど大丈夫?」と気になっていませんか?
VO2maxは年齢とともに低下する傾向がありますが、同じ年代でも性別や運動習慣、測定方法によって数値には大きな幅があります。
そのため、年齢別の平均は自分の体力を考える参考にはなりますが、平均より低いからといって「体力がない」と決めつける必要はありません。
この記事では、40代・50代を中心にVO2maxの年齢別目安と、年齢を重ねても心肺体力の改善を目指せる理由を解説します。
VO2maxの年齢別平均はどれくらい?

VO2max(最大酸素摂取量)は、激しい運動をしたときに身体が酸素を取り込み、利用できる能力の上限を示す指標です。
一般的にはmL/kg/分で表され、年齢や性別によって基準となる数値が異なります。
40代・50代のVO2maxは年齢とともに低下する傾向
心肺運動負荷試験の大規模データを集めたFRIEND研究では、心血管疾患のない成人を対象に、トレッドミルで直接測定したVO2maxの年齢別基準値が報告されています。
中央値を見ると、40〜49歳では男性37.8mL/kg/分、女性26.7mL/kg/分、50〜59歳では男性32.6mL/kg/分、女性23.4mL/kg/分でした。
さらに同研究では、VO2maxは年代が上がるにつれて低下する傾向が確認されています。
ただし、これは米国の対象者を中心としたデータであり、日本人全員にそのまま当てはまる「平均値」ではありません。
自分の数値を考えるための参考値として活用しましょう(Kaminsky LA et al., Mayo Clinic Proceedings, 2015)。
| 年代 | 男性の中央値 | 女性の中央値 |
|---|---|---|
| 30〜39歳 | 42.4mL/kg/分 | 30.2mL/kg/分 |
| 40〜49歳 | 37.8mL/kg/分 | 26.7mL/kg/分 |
| 50〜59歳 | 32.6mL/kg/分 | 23.4mL/kg/分 |
| 60〜69歳 | 28.2mL/kg/分 | 20.0mL/kg/分 |
※FRIEND研究のトレッドミル心肺運動負荷試験による直接測定値の50パーセンタイルを掲載しています。
国、測定方法、運動習慣などによって数値は異なります。
平均より上・下だけで体力を判断しない
VO2maxには大きな個人差があります。
FRIEND研究でも、40〜49歳男性の25〜75パーセンタイルは31.9〜45.0mL/kg/分、女性は22.1〜32.4mL/kg/分と幅があります。
50〜59歳でも男性27.1〜39.7mL/kg/分、女性19.9〜27.6mL/kg/分でした。
つまり、同じ年齢でも数値が10mL/kg/分以上違うケースがあります。
また、トレッドミルと自転車エルゴメーターでも基準値は変わります。
そのため、「平均を1ポイント下回ったから問題」と考えるのではなく、自分がどの方法で測定したのか、以前の自分からどう変化したのかを見ることが大切です。
なぜVO2maxは年齢とともに低下するの?

VO2maxは年齢を重ねるにつれて低下する傾向があります。
ただし、その原因は単純に「年を取ったから」だけではありません。
心臓や血管、筋肉の変化に加えて、運動量が減ることも関係します。
最大心拍数や酸素を運ぶ能力など複数の変化が関係する
VO2maxは、心臓から送り出される血液量、血液が運ぶ酸素、筋肉が酸素を利用する能力など複数の要素で決まります。
年齢を重ねると最大心拍数が低下する傾向があり、心拍出量や筋肉の酸素利用能力などにも変化が生じます。
その結果としてVO2maxも低下しやすくなります。
一方、FRIENDの国際データではVO2maxの中央値は平均すると10年あたり約9%低下していましたが、これは集団全体の傾向です。
「毎年必ず0.9%下がる」という意味ではなく、運動習慣や体力によって変化の程度には個人差があります。
40代・50代では運動量の変化も意識する
40代・50代になると、仕事や家庭の影響で運動時間が減り、「以前より走らなくなった」「息が上がるような運動をしなくなった」という方も少なくありません。
そのため、VO2maxの低下には加齢そのものだけでなく、身体活動量の変化が重なっている可能性があります(Tanaka H, Seals DR, <em>The Journal of Physiology</em>, 2008)。
スマートウォッチの数値が下がった場合も、「年齢だから仕方ない」とすぐに結論づけるのではなく、最近の運動頻度や運動強度、体重の変化などを振り返ってみましょう。
年齢別平均は現在地を確認する材料であり、これからの変化を決める上限ではありません。
40代・50代でもVO2maxは改善できる?

年齢を重ねても、適切な運動によってVO2maxが改善する可能性があります。
「若い人でなければ心肺機能は高められない」というわけではありません。
ただし、現在の体力や健康状態に合わせて負荷を設定することが重要です。
60歳以上でも有酸素運動による改善が報告されている
Huangらが平均年齢60歳以上の成人2,102人を含む41試験を解析したメタ分析では、有酸素トレーニングを行った群は対照群と比べてVO2maxが平均3.78mL/kg/分改善し、研究全体では16.3%の向上に相当しました。
また、Størenらが20代から70歳以上までの健康な男女94名を対象に、最大心拍数の90〜95%を目標とする高強度インターバルトレーニングを週3回・8週間行った研究では、すべての年代でVO2maxが9〜13%改善し、改善率に年代による有意な差は認められませんでした。
これらの結果は、年齢を重ねても適切な運動刺激によって心肺体力を改善できる可能性を示しています(Huang G et al., Preventive Cardiology, 2005/Støren Ø et al., Medicine & Science in Sports & Exercise, 2017)。
年齢平均を超えることより「以前の自分」を基準にする
VO2max改善を目指すときは、同年代の平均値を超えることだけを目標にする必要はありません。
たとえば50代でVO2maxが30mL/kg/分だった人が、継続的な運動によって32mL/kg/分になったのであれば、年齢平均との比較とは別に、自分自身の心肺体力が変化した可能性があります。
運動習慣が少ない方はウォーキングや軽い有酸素運動から始め、体力がついてきたら時間や強度を段階的に調整しましょう。
高強度運動はVO2max改善の選択肢になりますが、最初から無理に追い込む必要はありません。
また、心肺機能に普段とは異なる刺激を取り入れたい方は、低酸素環境でのトレーニングも選択肢の一つです。
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低酸素トレーニングとVO2maxの関係を調べた研究では、長距離ランナーを対象に週2回・6週間の間欠的低酸素トレーニングを行い、VO2maxなどの改善が報告されています(Nakamoto FP, et al.
Effect of Intermittent Hypoxic Training Followed by Intermittent Hypoxic Exposure on Aerobic Capacity of Long Distance Runners.Journal of Strength and Conditioning Research. 2016;30(6):1708–1720.)。
ただし、すべての人に同じ改善が得られるわけではないため、自分の体力に合わせて取り入れることが大切です。
持病がある方や、運動時に胸痛、強い息切れ、めまいなどの症状がある場合は、無理に運動を続けず、運動強度を上げる前に医療機関へ相談してください。
まとめ|VO2maxの年齢別平均は「現在地」を知る目安にしよう

VO2maxは年齢とともに低下する傾向があり、FRIEND研究のトレッドミルによる直接測定値では、40〜49歳の中央値は男性37.8・女性26.7mL/kg/分、50〜59歳では男性32.6・女性23.4mL/kg/分でした。
ただし、これらは特定集団の参考値であり、すべての人に当てはまる絶対的な平均値ではありません。
重要なのは、「平均より上か下か」だけで自分の体力を評価しないことです。
同じ年代でもVO2maxには幅があり、測定方法や運動習慣によって数値は変わります。
スマートウォッチを利用する場合も、一度の表示値ではなく、同じ機器・似た条件で数か月単位の変化を見るとよいでしょう。
また、60歳以上を対象としたメタ分析や20〜70代を対象としたトレーニング研究でも、VO2maxの改善が報告されています。
40代・50代だからといって、心肺体力の向上を諦める必要はありません。
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