VO2maxの年齢別・男女別 平均値と基準値 ― 自分の数字はどの位置か?
VO2max(最大酸素摂取量)は持久的な運動能力と健康寿命を映す指標です。
自分の数字を評価する基準として、厚生労働省「健康づくりのための運動基準2013」の性・年代別基準値がまず参照されます。
男性18〜39歳で39 ml/kg/分、女性同世代で33 ml/kg/分など、年代と性別で数値が異なります。
以下、数値表と読み方を体系的に整理します。
結論:VO2maxは「性別・年代別の基準値」で読む

VO2maxを評価するうえで押さえるべき視点は次の3点です。
- 単位は ml/kg/分:1分あたり体重1kgで取り込める酸素の最大量を示す
- 厚労省の基準値は男女とも加齢に伴い低下する設計:同じ数字でも年代によって意味が変わる
- 単独の数字より、同じ性別・年代の基準値と照合してこそ意味を持つ
VO2maxは「高ければ高いほど良い」だけの数字ではありません。
健康維持の視点では、自分と同じ性別・年代の集団における基準値との照合が第一歩となります。
持久系のパフォーマンス向上を目的とする場合は、基準値をクリアしたうえで、さらに上位の水準を目指すという二段構えの読み方が現実的です。
VO2maxとは何か? ― 基礎の整理

定義
VO2maxは「最大酸素摂取量」の略で、運動中に体が取り込める酸素の最大値を、1分あたり体重1kgで正規化した指標です。
体重を分母に置くことで、体格差の影響を除いて比較できる設計になっています。
何を意味する数字か?
VO2maxは持久的運動能力の「器の大きさ」を表します。
長距離走・自転車・水泳・トライアスロンなど、酸素を長時間使い続ける競技のパフォーマンスと強く相関する指標であることが示されています(Wiecha S et al., PLOS ONE, 2023, PMC9876283)。
同時に、心血管系の健康を映す指標としても研究が積み重ねられており、心肺機能が低い群は高い群と比較して全死亡リスクが70%高く、心疾患・心血管疾患リスクが56%高いことが、33研究・18万7,303名を対象としたメタ分析で示されています(Kodama S et al., JAMA, 2009, PMID: 19454641)。
数値のイメージ
参考として日常的な感覚で捉えると、以下のようなイメージになります。
- 20〜30台の低い数値:日常生活の階段でも息切れしやすい水準
- 30〜40台:一般的な運動習慣を持つ層の水準
- 40〜50台:週に数回のランニング・自転車を継続する層の水準
- 60以上:市民ランナー上位・アマチュア競技者の水準
- 80〜90:世界レベルの持久系アスリートの水準
厚労省「健康づくりのための運動基準2013」の性・年代別基準値

生活習慣病の発症・死亡リスク低下が期待される基準値として、厚生労働省が示した数値は以下の通りです。
この基準値は公的な参照値として広く使われており、自分の位置を客観的に評価するうえでの起点となります。
男性(ml/kg/分)
| 年代 | 基準値 |
|---|---|
| 18〜39歳 | 39 |
| 40〜59歳 | 35 |
| 60〜69歳 | 32 |
女性(ml/kg/分)
| 年代 | 基準値 |
|---|---|
| 18〜39歳 | 33 |
| 40〜59歳 | 30 |
| 60〜69歳 | 26 |
出典:厚生労働省「健康づくりのための運動基準2013」
基準値の読み方
- 男性より女性の方が数値が低く設定されている:心臓の絶対的な大きさ、血液中のヘモグロビン濃度、筋量比率など、生理学的な差を反映した設計
- 年代が上がるにつれ数値は下がる:加齢による低下傾向を反映
- あくまで「リスク低下が期待される」水準:これを超えていれば健康リスクが低減される目安であり、超えていないと直ちに問題があるという意味ではない
自分の数字を評価するときは、まず「同じ性別・同じ年代」の欄と照合します。
例えば45歳男性なら「35」、55歳女性なら「30」が最初の照合点です。
基準値を超えていれば厚労省の水準はクリアしていることになります。
自分の位置の把握と、加齢による変化への備え

平均値
厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」では、生活習慣病予防に必要なVO2maxの基準値として、男性18〜39歳で39 ml/kg/分、40〜59歳で35 ml/kg/分、60〜69歳で32 ml/kg/分が定められています。
女性の基準値は、18〜39歳で33 ml/kg/分、40〜59歳で30 ml/kg/分、60〜69歳で26 ml/kg/分とされています(厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」)。
これらの数値は「平均値」ではなく、最大酸素摂取量と生活習慣病リスクの関係を示す国内外の研究のシステマティックレビューをもとに設定された生活習慣病予防のための目標基準値です。
ただし個人差は大きく、運動習慣の有無によって実際の数値は大きく異なります。
一流アスリートの水準
五輪級の一流持久系アスリートは 80〜90 ml/kg/分の高い数値を示すとされます。
長距離ランナー・トライアスリート・クロスカントリースキー選手・自転車ロードレース選手などが該当します。
この水準は先天的要素(遺伝的な心肺機能の設計)とトレーニングの累積効果の両方が関与する領域で、一般人がこの水準に到達することは困難とされます。
一般的な評価目安
競技現場・スポーツ医学の現場では、以下のような大まかな評価目安が使われることがあります。
- 40 ml/kg/分以上:「良好」の水準とされる
- 50 ml/kg/分以上:「優れている」の水準とされる
この評価は目安であり、性別・年代によって「良好」の意味は変わります。
60代女性で30を超えていれば厚労省の基準はクリアしており、無理に「40以上」を目指す必要はありません。
逆に、20代男性で35に留まっているなら基準値の39には届いておらず、運動習慣の見直しが目安となります。
VO2maxとパフォーマンスの関係
マラソンのフィニッシュタイムやトライアスロンの完走時間は、VO2max単体では決まりません。
乳酸性作業閾値(LT)・ランニングエコノミー・レース経験など複合的な要因が関与します。
VO2max・LT・ランニングエコノミーの3要素を組み合わせることでマラソンパフォーマンスの変動の72.1%を説明できることが示されており(PMC12547624, 2025)、乳酸閾値における速度がこれら3変数を統合したものとして長距離走パフォーマンスの最良の生理学的予測因子とされています(Bassett DR & Howley ET, Medicine & Science in Sports & Exercise, 2000, PMID: 10647532)。
ただしVO2maxが持久的パフォーマンスの上限(器の大きさ)を規定するため、上位の記録を目指す上で無視できない指標であることは共通認識となっています(Joyner MJ & Coyle EF, Journal of Physiology, 2008, PMID: 17901128)。
30歳以降の加齢による低下傾向
VO2maxは30歳を過ぎると10年ごとに約10%低下するとされています(Letnes JM et al., International Journal of Cardiology Cardiovascular Risk and Prevention, 2023, PMID: 36874046, PMC9975246)。
40代・50代・60代と積み重なるほど、若い頃と同じ生活習慣では基準値を割り込みやすくなるのが自然な流れです。
運動習慣のない層では10年あたり約12%の低下が報告されている一方、継続的な有酸素運動を維持する層ではその低下速度が約半分(10年あたり約5.5%)に抑えられることが示されています(Rogers MA, Hagberg JM et al., Journal of Applied Physiology, 1990, PMID: 2361923)。
低下を緩やかにするアプローチ
VO2maxの加齢による低下自体は避けられないものの、その低下スピードは運動習慣によって変わるとされます。
中〜高強度の有酸素運動については、60歳以上の高齢者を対象とした41試験・2,102名のメタ分析でVO2maxが平均16.3%改善することが示されており(Huang G et al., Preventive Cardiology, 2005, PMID: 16230876)、高強度インターバルトレーニング(HIIT)については53試験のメタ分析でVO2maxへの有意な改善効果が確認されています(Wen D et al., Journal of Science and Medicine in Sport, 2019, PMID: 30733142)。
またレジスタンストレーニングとの組み合わせについても、51試験・3,152名のメタ分析で有酸素・レジスタンス・コンカレントトレーニングのすべてがVO2maxを有意に改善することが示されており(Azimkhani A et al., Biological Research for Nursing, 2026, DOI: 10.1177/10998004251348605)、これらの複数のアプローチがVO2max維持・向上に寄与する可能性があると考えられています。
低酸素トレーニングの位置づけ
SOLERAでは、常圧低酸素環境でのトレーニングを提供しています。
低酸素環境は心肺系への負荷を高め、通常の環境より低い運動強度でも酸素運搬能への刺激を与えられる可能性があるとされています(Millet GP et al., Sports Medicine, 2010, PMID: 20020784)。
標高2,000〜3,000mに相当する酸素濃度での運動が呼吸循環系パフォーマンスの改善に関与しうることが研究で示されており(Nowak-Lis A et al., Journal of Functional Morphology and Kinesiology, 2025, PMC12641951)、VO2maxの維持・向上を目的とする選択肢のひとつとして複数の低酸素トレーニング様式が研究されています(Comparative efficacy of various hypoxic training paradigms on maximal oxygen consumption: A systematic review and network meta-analysis)。
個人差はあり、効果を断定するものではありません。
40代以降のスタート地点
40代・50代からトレーニングを再開する場合でも、適切な運動プログラムによってVO2maxの改善は可能とされます。
ただし心血管系のリスクを伴うため、開始前には医療機関でのメディカルチェックが推奨されます。
既往のある方は必ず医師にご相談ください。
よくある質問(FAQ)

Q. 自分のVO2maxの数字はどうやって知れますか?
正確な測定は呼気ガス分析装置を用いた運動負荷試験で、大学病院・スポーツ医学研究機関などで実施されます。
費用と時間がかかるため一般には限定的です。
近年は Apple Watch や Garmin など、スマートウォッチによる推定値が広く普及しており、日常的な指標として使う層が増えています。
Q. 厚労省基準を下回ると健康リスクが高くなりますか?
基準値は「クリアすることで生活習慣病の発症・死亡リスク低下が期待される」水準として設定されています。
下回るからといって直ちに健康を損なうわけではありませんが、運動習慣を見直す目安として活用できるとされます。
個人差があるため、気になる場合は医療機関にご相談ください。
Q. 男女で基準値が違うのはなぜですか?
心臓の絶対的な大きさ、血液中のヘモグロビン濃度、体組成における筋量比率など、生理学的な差を反映した設計となっています。
同じ努力量でも数値の絶対値には差が出ますが、健康効果は自分の性別基準との相対で判断する形が実践的です。
Q. 60代でも VO2max を上げることは可能ですか?
適切な運動プログラムによって、60代以降でも VO2max の維持・改善が期待できるとされます。
加齢による低下は避けられないものの、その傾きを緩やかにするアプローチは有効とされます。
開始前には医療機関でのメディカルチェックが推奨されます。
Q. VO2max を高める運動は何が良いですか?
有酸素運動(走る・自転車・水泳)と、高強度インターバルトレーニング(HIIT)が代表的です。
継続することと、強度を適切に設定することが重要です。
低酸素環境でのトレーニングは、限られた時間で心肺系への刺激を高める選択肢の一つとして研究されています(Millet GP et al., Sports Medicine, 2010, PMID: 20020784)。
心疾患等の既往のある方は必ず医師にご相談ください。
まとめ:自分の性別・年代の基準値と照合する

- VO2maxは持久的運動能力と健康寿命を映す指標。単位は ml/kg/分。
- 厚労省「健康づくりのための運動基準2013」の性・年代別基準値がまず参照される(男性18〜39歳: 39/女性同世代: 33 など)。
- 一般成人男性平均は 40 前後、一流アスリートは 80〜90 の水準。
- 30歳以降10年で約10%低下するとされ、維持には運動習慣が有効とされる。個人差はある。
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VO2max の維持・向上を目的とする方は、低酸素環境という選択肢の一つとして体験レッスンをご検討ください。
個人差はあり、既往のある方は医療機関にご相談のうえご検討ください。
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