VO2maxとは?体力との関係と数値の見方をわかりやすく解説
スマートウォッチを使っていると、「VO2max」という数値を目にすることがあります。
「VO2maxとは何を表す数字?」「高い方が体力がある?」「どうすれば改善できる?」と疑問に感じている方も多いでしょう。
VO2maxは、運動中に身体が酸素を取り込み、全身で利用できる能力の上限を示す指標で、日本語では最大酸素摂取量と呼ばれます。
心肺体力を数値化する代表的な方法ですが、数値だけで体力のすべてが決まるわけではありません。
この記事では、VO2maxの意味や数値の見方、改善を目指すための運動方法を科学的根拠をもとに分かりやすく解説します。
VO2maxとは?心肺体力を表す代表的な指標

VO2maxとは「最大酸素摂取量」のことで、激しい運動をしたときに身体が1分間に取り込み、利用できる酸素量の最大値を示します。
一般的には「mL/kg/分」という単位で表示され、体重1kgあたり1分間にどれだけ酸素を利用できるかを表します。
VO2maxは肺だけではなく心臓・血液・筋肉の働きで決まる
VO2maxという名前から「肺活量のような数字」と思われることがありますが、実際には肺だけの能力ではありません。
呼吸で取り込んだ酸素を心臓が血液とともに全身へ送り、筋肉がその酸素を利用してエネルギーを作るまでの一連の働きが関係します。
BassettとHowleyのレビューでは、VO2maxは特に心臓から活動筋へ酸素を供給する能力によって大きく制限されると説明されています。
つまりVO2maxは、心臓、血液循環、筋肉などを含めた心肺体力を総合的に見る代表的な指標といえます(Bassett DR Jr, Howley ET, Medicine & Science in Sports & Exercise, 2000)。
VO2maxが高いほど持久系運動を支える能力が高い傾向がある
VO2maxが高い人は、運動中により多くの酸素を利用できるため、ランニングやサイクリングなどの持久系運動を支える能力が高い傾向があります。
ただし、「VO2maxが高ければ必ず速く走れる」という意味ではありません。
JoynerとCoyleのレビューでは、持久系パフォーマンスにはVO2maxだけでなく、LT(乳酸性作業閾値)や運動効率も関係するとされています。
VO2maxは体力を考える重要な数値ですが、走力や持久力のすべてを一つの数字で判断できるわけではありません(Joyner MJ, Coyle EF, The Journal of Physiology, 2008)。
VO2maxの数値から何がわかる?

VO2maxは、自分の心肺体力を数値として確認するための指標の一つです。
ただし、「40なら良い、30なら悪い」と数値だけで単純に判断するものではありません。
年齢や性別、運動習慣などによって数値には違いがあるため、自分の体力を把握し、運動を続ける中での変化を見るために活用しましょう。
VO2maxは年齢によって変化する
VO2maxは年齢の影響を受けます。
加齢に伴って心肺体力は低下する傾向がありますが、運動習慣によってその変化には違いが生じます。
Rogersらが男性を約8年間追跡した研究では、VO2maxは加齢とともに低下したものの、持久系トレーニングを継続していた人では、運動習慣のない人より低下幅が小さかったことが報告されています(Rogers MA et al., Journal of Applied Physiology, 1990)。
そのため、「年齢が上がったからVO2maxは改善できない」と考える必要はありません。
現在の年齢や運動経験を踏まえながら、自分自身の変化を確認していくことが大切です。
他人との比較より「以前の自分」と比較する
スマートウォッチにVO2maxが表示されると、同年代の平均値や友人の数値と比べたくなるかもしれません。
しかし、VO2maxには年齢や性別、運動習慣などさまざまな要因が関係します。
体力づくりに活用するなら、「他人より高いか」だけではなく、「3か月前の自分と比べてどう変化したか」という視点を持つとよいでしょう。
たとえば、同じランニングコースを以前より楽に走れるようになった、同程度のペースでも心拍数が低くなった、といった身体の変化とVO2maxの推移を一緒に確認すると、日々のトレーニングを振り返りやすくなります。
VO2maxを改善するために大切なこと

VO2maxを改善するために重要なのは、単発の激しい運動ではなく、自分の体力に合った有酸素運動を継続することです。
さらに、運動に慣れてきたら強度に変化をつけることで、心肺機能へ異なる刺激を加えることができます。
「長く続けられる運動」から体力づくりを始める
VO2maxを意識すると、「息が上がるほど激しく運動しなければならない」と考えてしまうかもしれません。
しかし、運動習慣が少ない方は、ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど、無理なく継続できる有酸素運動から始める方法があります。
特に大切なのは、1回だけ頑張ることではなく、運動を習慣にすることです。
WHOも、運動習慣がない人は少量の身体活動から始め、頻度・強度・時間を徐々に増やすことを推奨しています(World Health Organization. WHO Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour. Geneva: World Health Organization; 2020.)。
VO2maxの数字だけを追いかけず、「以前より長く動ける」「階段を上っても息切れしにくくなった」など、日常生活で感じる体力の変化にも目を向けてみましょう。
低酸素環境をトレーニングの選択肢にする
普段とは異なる刺激を取り入れたい方には、低酸素環境での運動も選択肢の一つです。
SOLERAでは、標高3,000m級に相当する常圧低酸素環境で、1回30分のトレーニングに取り組めます。
低酸素環境では利用できる酸素が少ない条件で身体を動かすため、通常酸素環境とは異なる生理的刺激が加わります。
実際にSOLERAでは、トレーニングを継続する中で、スマートウォッチなどで確認するVO2maxの数値が向上したと実感されている会員様もいます。
ただし、これは会員様個人の体験であり、すべての方に同じ変化が起こることを保証するものではありません。
研究でも低酸素トレーニングとVO2maxの関係は検討されています。
Nakamotoらが長距離ランナーを対象に行った研究では、週2回・6週間の間欠的低酸素トレーニングを行ったグループでVO2maxなどの改善が報告されています(Nakamoto FP, et al. “Effect of Intermittent Hypoxic Training Followed by Intermittent Hypoxic Exposure on Aerobic Capacity of Long Distance Runners.” Journal of Strength and Conditioning Research. 2016;30(6):1708–1720. DOI: 10.1519/JSC.0000000000001258.)。
一方、研究全体では通常酸素環境でのトレーニングを上回る効果について一致した結論が得られているわけではありません。
そのため、低酸素トレーニングは「VO2maxが必ず上がる方法」ではなく、普段とは異なる酸素条件で心肺に刺激を加えるトレーニングの選択肢として考えるのが適切です。
まとめ|VO2maxを自分の体力づくりに活用しよう

VO2maxとは、運動中に身体が取り込み、利用できる酸素量の上限を示す「最大酸素摂取量」のことです。
心肺体力を数値化する代表的な指標であり、ランニングなどの運動だけでなく、自分自身の体力を知る一つの手がかりになります。
大切なのは、VO2maxの数値だけで「体力がある・ない」と判断しないことです。
年齢や運動習慣などによって数値は異なるため、スマートウォッチを活用する場合も、他人との比較だけではなく、数週間から数か月単位で自分の変化を確認してみましょう。
VO2maxの改善を目指すなら、まずはウォーキングやランニングなどの有酸素運動を無理なく継続することが基本です。
そのうえで、普段とは異なる刺激を取り入れたい場合には低酸素環境でのトレーニングも選択肢になります。
SOLERAでは、常圧低酸素環境で1回30分のトレーニングに取り組めます。
実際にVO2maxの数値の向上を実感している会員様もいます。
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