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VO2maxはGarminとApple Watchで違う?推定方式を比較

GarminとApple Watchを使い比べて、「VO2maxの数値が違うけれど、どちらが正しいの?」と戸惑ったことはありませんか?
結論からいうと、両者は酸素摂取量を直接測定しているわけではなく、それぞれ異なるデータや条件を使ってVO2maxを推定しています。
そのため、同じ人が同じ時期に使っても数値が一致しないことがあります。
この記事では「どちらが優秀か」という機種比較ではなく、GarminとApple WatchでVO2maxを推定する仕組みがどう違うのかに絞って解説します。

GarminとApple WatchのVO2max推定は何が違う?

GarminとApple WatchのVO2max推定は何が違う?

GarminとApple Watchは、どちらも心拍数などのセンサーデータからVO2maxを推定しますが、利用するワークアウトやデータの組み合わせが同じではありません。
数値を比較するときは、まずこの違いを理解しておくことが大切です。

Garminは心拍数と走速度・パワーの関係を重視する

Garminの対応機種では、Firstbeat Analyticsの技術を利用してVO2maxを推定しています。
ランニングでは心拍数とGPSなどから得られる走速度の関係を複数のポイントで解析し、身体がどの程度の負荷でその速度を出しているかを評価します。
サイクリングでは、対応機種とパワーメーターを組み合わせ、心拍数という身体内部の負荷とワット数という外部負荷の関係からVO2maxを推定します。
Garminではランニングとサイクリングで別々のVO2max推定値を持つ機種もあり、スポーツ種目ごとの運動データを利用する点が特徴です。
Garmin公式情報でも、ランニングVO2maxには屋外でのGPS走行と心拍数、サイクリングでは心拍数とパワーデータが利用されると説明されています。

Apple Watchは屋外活動と心拍・モーション情報を組み合わせる

Apple Watch Series 3以降では、屋外ウォーキング、屋外ランニング、ハイキング中に心拍センサーとモーションセンサーを利用してVO2maxを推定します。
さらに、年齢、性別、体重、身長、心拍数に影響する薬剤の情報も計算に反映されます。
Appleによると、ジムのトレッドミルなど屋内ワークアウトは心肺機能推定の対象にはなりません。
また、Apple Watchは日常のウォーキングなど最大下の運動からも心肺機能を推定できるよう設計されています。
つまりGarminとApple Watchでは、VO2maxを計算するために採用する運動場面や入力情報の組み合わせが異なります

GarminとApple WatchでVO2maxが違って表示される理由

GarminとApple WatchでVO2maxが違って表示される理由

同じ人のVO2maxなのにGarminとApple Watchで数値が違うのは、必ずしもどちらかが故障しているからではありません。
メーカーごとに推定条件やアルゴリズムが異なるため、出力される数値にも差が生じる可能性があります。

メーカーごとに採用するデータと計算方法が異なる

GarminはFirstbeatのアルゴリズムを利用し、ランニングでは主に心拍数と速度の関係を分析します。
一方、Apple Watchは心拍・モーションセンサーに加えて、年齢や性別、体格、薬剤情報などを用いて心肺機能を推定します。
両メーカーともアルゴリズムのすべてを公開しているわけではないため、まったく同じ条件で計算結果を再現することはできません。
Molina-Garciaらによる14研究のシステマティックレビュー・メタ分析でも、消費者向けウェアラブルのVO2max推定方法はデバイスによって異なり、特に運動中の情報を利用するアルゴリズムと安静時情報を利用するアルゴリズムでは推定特性が異なることが示されています(Molina-Garcia P et al., Sports Medicine, 2022)。

GarminとApple Watchを単純に「どちらが正確」とは言えない

GarminとApple Watchを別々に呼気ガス分析と比較した研究はありますが、異なる対象者・条件で実施された研究結果を使って「Garminの方が正確」「Apple Watchの方が正確」と単純に順位づけすることはできません。
Engelらが持久系アスリート35名を対象にGarmin Forerunner 245を検証した研究では、VO2maxを平均4.05〜4.73mL/kg/分低く推定しました。
一方、Lambeらが30名を対象にApple Watchを検証した2025年の研究では、呼気ガス分析より平均6.07mL/kg/分低く推定しました。
しかし対象者や測定方法が異なるため、この数字だけでメーカー間の優劣を判断することは適切ではありません(Engel FA et al., European Journal of Applied Physiology, 2026/Lambe R et al., PLOS ONE, 2025)。

GarminとApple Watchは目的に合わせて選ぼう

GarminとApple Watchは目的に合わせて選ぼう

VO2maxの表示だけを基準にデバイスを選ぶより、自分がどの運動を中心に行い、どのようなデータを記録したいかで考える方が実用的です。
それぞれVO2maxを推定する場面が異なるため、自分の運動習慣との相性が重要になります。

ランニングやサイクリングを細かく記録したいならGarminという選択肢

Garminは、対応モデルでランニングとサイクリングのVO2maxを分けて推定でき、サイクリングではパワーメーターを利用した推定にも対応しています。
そのため、屋外ランニングやロードバイクなど、スポーツとして運動データを継続的に記録したい人には使いやすい選択肢です。
一方、すべてのGarmin製品で同じ機能や条件が使われるわけではありません。
必要なセンサーやVO2max推定条件は機種によって異なるため、購入時には使用するモデルの仕様を確認しましょう

ウォーキングを含めて日常的に心肺機能を記録したいならApple Watchという選択肢

Apple Watchは、屋外ウォーキング、ランニング、ハイキングなどの日常的な運動から心肺機能を推定できます。
そのため、本格的なランニングだけでなく、日常生活の中で心肺機能の情報を確認したい人にも利用しやすい仕組みです。
一方で、屋内トレーニングはVO2max推定の対象にならないなど、Apple独自の条件があります。
GarminとApple Watchの数値を行き来して比較するより、使用するデバイスを決めたら、そのメーカーが想定する条件で継続して記録する方がデータを整理しやすくなります

まとめ|GarminとApple WatchのVO2maxは「推定方式が違う」と理解しよう

まとめ|GarminとApple WatchのVO2maxは「推定方式が違う」と理解しよう

GarminとApple WatchのVO2maxが一致しない大きな理由は、メーカーごとに利用するデータ、対象となる運動、アルゴリズムが異なるためです。
GarminはFirstbeatの技術を使い、心拍数と走速度、サイクリングではパワーなどの関係を解析します。
Apple Watchは屋外ウォーキング・ランニング・ハイキング時の心拍・モーションデータに、年齢や性別、体格などの情報を組み合わせて推定します。
そのため、Garminで50、Apple Watchで46と表示されたとしても、「どちらかが必ず間違っている」とは判断できません。
また、それぞれを別条件で検証した研究結果からメーカーの優劣を決めることも適切ではありません。
デバイスを選ぶ際はVO2maxの数字だけでなく、自分がランニング、サイクリング、ウォーキングのどれを中心に記録したいのかを基準に考えるとよいでしょう。
なお、低酸素トレーニングによって最大心拍数そのものが向上するという効果は、現在の研究では確立されていません。
むしろ急性低酸素環境では最大心拍数が低下する傾向を示したレビューもあります(Mourot L, Frontiers in Physiology, 2018)。
一方、低酸素環境での運動は通常環境とは異なる心肺刺激を与える方法の一つです。
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