高地トレーニングスタジオSOLERAのコラム
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最大酸素摂取量(VO₂max)について真剣に考えてみた

持久系スポーツを本気で取り組んでいる方なら、一度は耳にしたことがあるはずの指標——最大酸素摂取量(VO₂max)
マラソン、トライアスロン、ロードレース、クロスカントリースキー…競技の垣根を越えて、この数値は“あなたのエンジン性能”を示す客観的な物差しです。

レース後半に踏ん張れるか、巡航速度を落とさずに走り切れるか。その差を生む大きな要因の一つが、このVO₂max。
一流選手たちは、自らのピーク値を少しでも高めるために日々科学的トレーニングを積み重ねています。

今回のコラムでは、SOLERA代表のMASA(村松)が自らCPX(心肺運動負荷試験)を受けてみた結果や感想、最新の研究から見たVO₂max向上の鍵を掘り下げていきます。
対象は主に持久系アスリートですが——実はVO₂maxは
健康寿命や生活の質(QOL)の観点からも極めて重要な指標ですので、一般の方にとっても無視できないテーマです。

健康寿命とVO₂maxの関係については、また別のコラムで詳しく掘り下げます。
まずはアスリート視点から、この「最大酸素摂取量」を真剣に考えてみました。

VO₂max=「持久力の物差し」を数値化するもの

最大酸素摂取量(VO₂max)について真剣に考えてみた

持久系スポーツに取り組む方なら、一度は耳にしたことがあるであろう指標が最大酸素摂取量(VO₂max)です。
これは「1分間に体重1kgあたり、どれだけ酸素を取り込んで利用できるか」を示し、心肺機能と持久力の総合評価とも言えます。

マラソン、トライアスロン、ロードバイク……種目が違っても、後半の粘りやスピード維持はこのVO₂maxと密接に関係しています。

最大酸素摂取量(VO₂max)とは?

1. 定義

VO₂max(最大酸素摂取量)とは、
「1分間に体重1kgあたり、どれだけ酸素を体内に取り込んで利用できるか」を示す値
で、持久力の総合的な指標です。

単位は ml/kg/min(ミリリットル/キログラム/分)で表されます。
例えばVO₂maxが60 ml/kg/minのランナーは、1分間に体重1kgあたり60mlの酸素を利用できるという意味です。

2. なぜ重要なのか?

  • 酸素はエネルギー生産のカギ
    持久系運動では、筋肉が酸素を使ってATP(エネルギー通貨)を作ります。
    VO₂maxが高い=酸素をたくさん運べる・使える=高い運動強度を長時間維持できる。
  • 記録更新との相関
    マラソンや自転車ロード、トライアスロンのトップ選手ほどVO₂maxは高い傾向があります。
  • 健康指標としても有効
    VO₂maxは心肺機能の健康度合いを反映し、低い場合は生活習慣病や早期死亡リスクの指標にもなります。

3. VO₂maxを決める3つの要素

  1. 心臓のポンプ機能(心拍出量)
    どれだけ多くの血液(酸素)を全身に送り出せるか。
  2. 血液の酸素運搬能力(赤血球・ヘモグロビン量)
    酸素を筋肉まで効率的に運ぶ力。
  3. 筋肉の酸素利用能力(ミトコンドリアの数・働き)
    筋肉細胞内で酸素を使ってエネルギーを生産する効率。

4. 平均値の目安(ml/kg/min)

レベル男性女性
一般成人35〜4027〜30
健康志向ランナー45〜5535〜45
競技レベル60〜7050〜60
世界トップ選手75以上65以上

なぜVO₂maxが大事なのか?

最大酸素摂取量(VO₂max)について真剣に考えてみた

持久系競技では、筋肉を動かすためのエネルギーの大半を酸素を使って作り出します。
VO₂maxが高ければ、高い運動強度でもより多くの酸素を筋肉に届けられるため、疲労の蓄積を抑えて長時間パフォーマンスを維持できます。

  • VO₂maxが低いと…
    → レース後半でペースが落ちる、坂や向かい風で踏ん張れない
  • VO₂maxが高いと…
    → 巡航速度が上がり、同じ速度でも疲れにくい

もちろん技術や戦術も重要ですが、エンジンそのものの性能を上げることはアスリートにとって絶対的な強みになります。

自らCPX測定を受けてみた

最大酸素摂取量(VO₂max)について真剣に考えてみた

先日、私(村松)は、自分自身のVO₂maxを正確に把握するためにCPX(Cardio Pulmonary Exercise Test)=心肺運動負荷試験を受けてきました。

CPXは、マスクを装着してランニングやバイクを行い、吸った酸素と吐いた二酸化炭素を分析することで、心肺機能・代謝・運動耐性を科学的に可視化できるテストです。

今回、CPX測定を受けたのは、京都市左京区北白川にある「もりした循環器科クリニック」です。
循環器内科の専門医による精密な検査環境で、運動生理学に基づいた詳細なデータを取得できる施設です。

一般的なスポーツジムやフィットネスクラブではVO₂max推定値を測る機器はありますが、呼気ガス分析を伴う本格的なCPXは設備や専門スタッフが限られます。
このクリニックでは、医療の安全管理のもと、呼吸・心拍・血圧・代謝データを同時取得し、アスリートのパフォーマンス分析にも十分対応可能です。

測定中は、マスク越しに酸素と二酸化炭素の交換データがリアルタイムでモニターに表示され、負荷の上昇とともに心拍数や代謝の変化が明確にわかります。終盤は呼吸も脚も限界に近づきましたが、これこそ「科学的な限界値」を知るための貴重な体験でした。

主な測定結果の概要(私の場合)

最大運動時(ピーク値)

  • VO₂max(最大酸素摂取量):40.6 ml/kg/min
  • 負荷量(Peak WR):263 W
  • 心拍数(Peak HR):157 bpm
  • METS:11.59
  • 呼吸交換比(RER):1.37(十分な限界運動に到達)

無酸素性作業閾値(AT時)

  • AT負荷量:125 W
  • AT VO₂:21.9 ml/kg/min
  • AT時心拍数:115 bpm
  • METS:6.25

安静時

  • VO₂:4.8 ml/kg/min
  • 心拍数:69 bpm
  • 血圧:122/70 mmHg

↓この結果をChatGPTに解説してもらいました。

現状の評価

  • VO₂max:40.6 ml/kg/min → 36歳男性の一般平均(27〜31 ml/kg/min)を大きく上回る高水準(約130〜150%)。
  • AT(無酸素性作業閾値):VO₂maxの約54% → 持久系競技の理想は70%以上。長時間一定ペース維持の能力に伸びしろあり。
  • AT心拍数:115 bpm → 心拍数が低めで乳酸蓄積が始まるため、中強度域の耐性向上が有効。
  • RER(呼吸交換比)1.37 → グリコーゲン主体の高強度運動に到達。最大運動強度には達しているが、持続時間に課題。

改善ポイントとトレーニング処方

  1. AT引き上げ(54%→70%)
    • 方法:テンポ走(最大心拍数の80〜85%)、SST(Sweet Spot Training)週2回
    • 期待効果:長距離レース(フルマラソン、自転車100km)で終盤の失速防止。
  2. VO₂max向上(40.6→45.0 ml/kg/min)
    • 方法:高強度インターバル(HIIT)、常圧低酸素トレーニング週1〜2回
    • 期待効果:酸素運搬能力向上による最大出力アップ。
  3. 高強度耐性強化
    • 方法:3〜5分のVO₂maxインターバル、スプリント反復
    • 期待効果:ラストスパート・坂道での出力維持力向上。

数値改善によるタイム短縮予測

  • VO₂maxが 40.6 → 45.0(+10.8%)、AT%が 54 → 70% に改善した場合
  • 持久系競技のパフォーマンスは理論的に 5〜8%向上
    • フルマラソン(4時間00分)→ 約12〜19分短縮
    • 40kmタイムトライアル(60分)→ 約3〜5分短縮

ChatGPTによる解析は、数値の意味から競技パフォーマンスへの影響、改善すべきポイント、そして改善した場合にどれくらい速くなるかまで──まるで専属のスポーツ科学コーチが横にいるような詳細かつ的確なフィードバックが返ってきました。

正直、その分析の深さと精度に驚きと感動です。

是非とも、さらなるパフォーマンス向上を目指す人には一度受けてもらいたいテストだと感じました。

なぜアスリートはCPXを受けるべきか?

最大酸素摂取量(VO₂max)について真剣に考えてみた

CPX(心肺運動負荷試験)は、単なる体力テストではありません。
それは「持久力エンジンの健康診断」であり、感覚や自己申告では絶対にわからない数値的事実を突きつけてくれるツールです。

1. 感覚ではなく数値で現状を把握できる

多くのアスリートは「最近持久力が上がった気がする」「このペースなら余裕がある」といった主観的感覚を頼りにトレーニングしています。
しかし、疲労の蓄積、環境条件、コンディションによって感覚は簡単に狂います。
CPXではVO₂max、AT(無酸素性作業閾値)、脂質代謝ピーク、心拍数、呼吸交換比(RER)など、多角的データであなたの現状を正確に数値化します。

2. どの強度を鍛えるべきか“伸びしろ”がわかる

VO₂maxは高いのにATが低い人は、長時間のレースで乳酸耐性不足によって失速します。
逆にATは高いがVO₂maxが低い人は、トップスピードや巡航速度に限界があります。
CPXの結果を見れば、「あなたが最も伸ばすべきゾーン」が明確になります。
これにより、ただ量をこなすのではなく、目的に合った強度に集中できるようになります。

3. 練習の無駄を減らせる

VO₂max向上を狙うのに、実は低強度ばかり走っていたり、脂質代謝を鍛えたいのに強度が高すぎたり…。
こうした「的外れ練習」は、時間も体力も浪費します。
CPXは、トレーニング強度を心拍数・パワー・ペースの3つの物差しでゾーン化し、最も効率の良い負荷設定を可能にします。

4. 成果を再測定で確認できる

トレーニング効果は、自己ベスト更新や体感だけではなく、再測定によって定量的に証明できます。
VO₂maxやAT値が数%改善するだけで、長距離競技ではタイムが大きく変わります。
この「数値の進化」を可視化することは、モチベーション維持にも直結します。

結論:
CPXは、アスリートにとっての車検やエンジン解析のようなものです。
何となくの手応えや感覚頼みではなく、科学的根拠に基づいて、自分専用の最短成長ルートを描ける
それこそが、CPXを受ける最大の価値です。

低酸素トレーニングがVO₂maxを高めるメカニズムとエビデンス

最大酸素摂取量(VO₂max)について真剣に考えてみた

1. VO₂max向上の3つのカギ

VO₂max(最大酸素摂取量)は、以下の3要素の掛け算で決まります。

  1. 酸素を取り込む力(呼吸器系)
  2. 酸素を運ぶ力(循環器系)
  3. 酸素を使う力(筋代謝系)

低酸素トレーニングは、この3つすべてを同時に刺激することができる稀有な方法です。

2. メカニズム

(1) 酸素運搬能力の向上

  • 低酸素刺激 → EPO(エリスロポエチン)分泌 ↑ → 赤血球&ヘモグロビン増加
  • 酸素を運ぶトラック(赤血球)が増えるため、同じ心拍数でも多くの酸素を筋肉へ届けられる。

(2) 末梢(筋肉)での酸素利用効率アップ

  • 毛細血管が新生し、酸素の受け渡し効率が上がる。
  • 筋肉内のミトコンドリアが増加・活性化し、酸素を使ってエネルギーを作る力が向上

(3) 換気効率の改善

  • 呼吸筋がれ、1回の呼吸で取り込める酸素量が増える
  • 同じ運動強度でも呼吸が楽になり、長時間維持できる。

3. 数値で見るエビデンス

① Dufourら(2006, フランス)

対象

  • 中距離ランナー(VO₂max 約65ml/kg/min)
  • 競技経験があり、週5〜6日のトレーニングを行っている選手

方法

  • 2グループに分け、6週間のトレーニングを実施
    • 低酸素群:週2回、酸素濃度約15%(標高約2,500m相当)のランニング(VT2=無酸素性作業閾値強度)
    • 常酸素群:同じメニューを常酸素環境で実施

結果

  • 低酸素群:VO₂maxが+5%向上
  • 常酸素群:変化なし
  • 特筆すべき点は、赤血球量など血液パラメータよりも筋肉での酸素利用能力(末梢適応)の改善が大きく寄与したこと。

解釈
→ 高地合宿のように長期滞在しなくても、短時間・部分的な低酸素刺激で競技パフォーマンスを高められることを示す結果
特に「酸素を使う力」の向上が確認された点が重要です。

Dufour SP, Ponsot E, Zoll J, Doutreleau S, Lonsdorfer-Wolf E, Geny B, Lampert E, Flück M, Hoppeler H, Billat V, Mettauer B, Richard R, Lonsdorfer J. Exercise training in normobaric hypoxia in endurance runners. I. Improvement in aerobic performance capacity. J Appl Physiol (1985). 2006 Apr;100(4):1238-48. doi: 10.1152/japplphysiol.00742.2005. PMID: 16540709.

② メタ解析(Frontiers in Physiology, 2023)

対象

  • 59の先行研究(被験者は持久系アスリートから一般成人まで幅広く含む)
  • 対象となった低酸素トレーニングの形態:IHT(低酸素で運動)、LHTL(高地で生活・低地で運動)、LHTH(高地で生活と運動)

方法

  • 研究間の効果量を統合分析
  • VO₂max改善率を低酸素群と常酸素群で比較

結果

  • 全体平均:低酸素群は常酸素群より+3〜7%の有意なVO₂max向上
  • 短期間(3〜6週間)でも効果が出やすく、週2〜4回の低酸素運動が最も効率的
  • 効果は赤血球増加だけでなく、筋代謝系・換気効率改善の複合的要因によると結論づけられた。

解釈
→ 複数の研究を統合しても、低酸素トレーニングの効果は安定して再現される。
また、競技レベルや年齢に関わらず効果が期待できることが明らかになった。

Feng X, Zhao L, Chen Y, Wang Z, Lu H and Wang C (2023) Optimal type and dose of hypoxic training for improving maximal aerobic capacity in athletes: a systematic review and Bayesian model-based network meta-analysis. Front. Physiol. 14:1223037. doi: 10.3389/fphys.2023.1223037

4. ポイント

  • 効果は3〜6週間・週2〜4回で顕著化
  • 高地合宿のように生活そのものを低酸素にする方法(LHTL)より、トレーニング時間だけ低酸素にするIHTでも効果は十分
  • 造血による効果と、筋代謝系改善の両方が寄与

5. まとめ

低酸素トレーニングは、酸素を取り込む・運ぶ・使うの3つを同時に鍛えることで、VO₂maxを平均で3〜10%向上させることが可能です。
競技者であればレースタイム短縮、一般の方であれば「疲れにくい体」や「基礎代謝向上」という形で恩恵を受けられます。

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