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VO₂maxとは?持久力の基礎を決める指標を徹底解説

「もっと持久力を高めたい」「効率よく走れる体をつくりたい」──そんな思いを持つランナーやサイクリストにとって、必ず耳にするのが VO₂max(最大酸素摂取量) という言葉です。

VO₂maxとは、体がどれだけ酸素を取り込み、エネルギーに変換できるかを示す指標であり、持久力の“基礎性能”を決定づける数値です。実は、世界のトップアスリートだけでなく、一般の人の 健康寿命や生活習慣病リスクにも深く関わっていることが、近年の研究で明らかになっています。

本コラムでは、

  • VO₂maxとは何か?
  • なぜスポーツと健康に重要なのか?
  • どうやって測定するのか?
  • 科学的にVO₂maxを上げる方法

といった疑問に答えながら、最新のエビデンスを交えてわかりやすく解説していきます。
「持久力を伸ばしたいアスリート」も「健康的に長く動ける体を目指したい一般の方」も、VO₂maxを知ることが自分の体を知る第一歩になります。

VO₂maxとは何か?

VO₂maxとは何か?

VO₂maxの定義(最大酸素摂取量とは?)

VO₂max(ブイオーツーマックス)とは、最大酸素摂取量を意味します。
具体的には「体が1分間に取り込んで利用できる酸素の最大量」を示す指標で、単位は ml/kg/min(体重1kgあたり1分間に利用できる酸素の量)で表されます。

なぜ酸素が重要かというと、人間の筋肉は運動時にATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーを消費します。そのATPを効率的に生み出すために必要なのが酸素です。
つまり、VO₂maxが高い=酸素を多く使える=エネルギーを長時間効率よく生み出せるということになり、持久力の基盤を決める重要な指標といえます。

VO₂maxと持久力パフォーマンスの関係

マラソン、サイクリング、水泳、トライアスロンなど、持久系スポーツではVO₂maxの高さがパフォーマンスに直結します。

例えば、同じペースで走る二人のランナーがいたとします。

  • VO₂maxが高いランナーは、運動強度が相対的に低くなり、余裕を持って長時間走れる
  • VO₂maxが低いランナーは、同じペースでも限界に近い強度となり、早く疲れてしまう

この違いは、レース後半の粘りや失速防止に大きな影響を与えます。

また、トップアスリートではVO₂maxが非常に高い水準に達しており、男子エリートマラソン選手では 70〜85 ml/kg/min、女子選手では 60〜75 ml/kg/min 程度が一般的です。
一方で、一般成人の平均は男性で 35〜45 ml/kg/min、女性で 25〜35 ml/kg/min とされており、アスリートとの差は歴然です。

ただし注意が必要なのは、VO₂maxが高ければ必ず競技に勝てるわけではないという点です。持久力を決めるのは「VO₂max」「乳酸性閾値(LTやAT)」「ランニングエコノミー(効率の良さ)」の3要素の掛け算であり、VO₂maxはその土台を示すに過ぎません。

VO₂maxと健康寿命の関わり

VO₂maxはアスリートだけでなく、一般の人の健康にも直結する重要な指標です。
近年の研究では、VO₂maxが高い人ほど生活習慣病や心疾患のリスクが低く、健康寿命が長いことが報告されています。

例えば、アメリカの大規模コホート研究(Blair et al., JAMA 1989・*1)では、心肺持久力が高いグループは低いグループに比べて死亡率が大幅に低下することが示されました。
また、2018年の JAMA Network Open に発表された研究(*2)では、VO₂maxに基づく心肺持久力は、寿命を予測する最強の因子の一つであることが確認されています。

つまりVO₂maxは「スポーツの成績を決める数値」であると同時に、

  • 動脈硬化や糖尿病の予防
  • 体脂肪コントロール
  • 日常生活での疲れにくさ
    といった健康面にも深く関わっているのです。

(*1)JAMA・Published Online: November 3, 1989・1989;262;(17):2395-2401. doi:10.1001/jama.1989.03430170057028

(*2)JAMA Netw Open・Published Online: October 19, 2018・2018;1;(6):e183605. doi:10.1001/jamanetworkopen.2018.3605

VO₂maxはなぜ重要なのか?

VO₂maxはなぜ重要なのか?

スポーツ選手にとってのVO₂max

持久系スポーツに取り組むアスリートにとって、VO₂max(最大酸素摂取量)は競技力の土台を示す指標です。
例えばマラソンやトライアスロン、自転車競技、クロスカントリースキーといった種目では、レース全体を通していかに高い強度を維持できるかが勝敗を分けます。

VO₂maxが高い選手は、同じスピードで走ったとしても「酸素を使う余裕度」が大きいため、後半まで余力を残してパフォーマンスを発揮できます。逆にVO₂maxが低い選手は、同じ強度でも限界に近い状態で動くことになるため、疲労が早く訪れます。

実際、エリート選手では以下のような水準が報告されています。

  • 男子トップマラソン選手:70〜85 ml/kg/min
  • 女子トップマラソン選手:60〜75 ml/kg/min

これは一般成人の2倍以上の数値であり、酸素利用能力の高さが持久力競技に直結していることを示しています。

もっとも、勝敗はVO₂maxだけで決まるわけではなく、「乳酸性作業閾値(LT/AT)」や「ランニングエコノミー(動作効率)」といった要素も重要です。とはいえ、VO₂maxが低ければ他の要素が優れていても限界は早く訪れるため、選手にとって必ず強化すべき基盤といえます。

一般の人にとってのVO₂max(ダイエット・生活習慣病予防)

VO₂maxはアスリートだけの指標ではありません。一般の人にとっても「健康状態」と直結する重要な数値です。

まず、VO₂maxが高いほど脂肪燃焼効率が良くなることが知られています。酸素を利用した代謝(有酸素性代謝)がスムーズに行われることで、糖質だけでなく脂質も効率よくエネルギー源として活用できるようになります。その結果、体脂肪が溜まりにくくなり、ダイエットや体型維持に有利になります。

さらにVO₂maxは、生活習慣病の予防指標としても注目されています。
VO₂maxが低い人は、糖尿病や高血圧、心疾患といったリスクが高まることが多くの疫学研究で報告されています。これは、酸素供給能力が低いと血流や代謝が滞りやすくなり、インスリン感受性や心臓のポンプ機能が低下しやすいためです。

つまり、一般の人にとってVO₂maxは「運動能力の数値」ではなく、病気を遠ざけるための健康指標として大きな意味を持っています。

VO₂maxと死亡リスクの関連(最新研究から)

近年の大規模研究では、VO₂maxが高いほど死亡リスクが低いことが明確に示されています。

例えば、2018年に JAMA Network Open に発表された米国クリーブランド・クリニックの研究(*1)では、12万人以上を対象にVO₂maxと死亡率を調査しました。その結果、心肺持久力(VO₂maxに基づく指標)が高い人は、低い人に比べて全死亡リスクが最大5倍も低いことが分かりました。特に「非常に高い」群は「平均的」群に比べても長寿の可能性が高いとされています。

また2021年のメタ解析(Frontiers in Cardiovascular Medicine・*2)では、複数の研究データを統合した結果、VO₂maxが高い人ほど心血管疾患による死亡リスクが有意に低下することが確認されています。

これらの結果から、VO₂maxは単なる運動パフォーマンスの指標ではなく、「生涯の健康と寿命」を左右する数値であることが強調されつつあります。

(*1)JAMA Netw Open・Published Online: October 19, 2018・2018;1;(6):e183605. doi:10.1001/jamanetworkopen.2018.3605

(*2)Lang JJ, Prince SA, Merucci K, et al・Cardiorespiratory fitness is a strong and consistent predictor of morbidity and mortality among adults: an overview of meta-analyses representing over 20.9 million observations from 199 unique cohort studies・British Journal of Sports Medicine 2024;58:556-566.

VO₂maxはどれくらいが目安?

VO₂maxはどれくらいが目安?

年齢・性別ごとの平均値と基準値

VO₂max(最大酸素摂取量)は、年齢や性別によって大きく変わります。
一般的に男性の方が女性より数値が高く、加齢とともに低下していく傾向があります。

以下は米国スポーツ医学会(ACSM)や大規模調査のデータをもとにした目安です(単位:ml/kg/min)。

年齢男性の平均女性の平均
20〜29歳42〜4635〜39
30〜39歳40〜4333〜36
40〜49歳37〜4130〜34
50〜59歳34〜3727〜31
60歳以上30〜3524〜28

一般的に、40 ml/kg/min 以上で「良好」、50 ml/kg/min 以上で「優れている」と評価されます。

また、日本人の疫学調査でも同様の傾向が確認されており、加齢とともにVO₂maxが毎年1%程度低下するとされています。ただし、定期的な運動習慣を持つ人では低下幅が小さく、60代でも40 ml/kg/min を維持する例もあります。

アスリートと一般人の違い

VO₂maxはアスリートと一般人とで大きな差があります。

  • 一般成人:男性 30〜45 ml/kg/min、女性 25〜35 ml/kg/min
  • 持久系アスリート:男性 70〜85 ml/kg/min、女性 60〜75 ml/kg/min
  • 世界的トップレベル:クロスカントリースキー選手や自転車選手で 90 ml/kg/min 近い数値が報告

この差は、単に心肺機能だけではなく、

  • 赤血球量やヘモグロビン濃度
  • 毛細血管の発達度
  • 筋肉内のミトコンドリア量
    といった生理的適応が大きく関わっています。

つまり、VO₂maxは「生まれつき」だけでなく「トレーニングによって引き上げられる要素」が大きく、一般人とアスリートの差は努力による部分も大きいのです。

高い人・低い人の特徴

VO₂maxが高い人と低い人には、生活習慣や体の特徴に明確な違いがあります。

VO₂maxが高い人の特徴

  • 定期的に有酸素運動(ランニング、サイクリング、スイミングなど)をしている
  • 安静時心拍数が低い(50〜60 bpm程度)
  • 血流が良く、回復が早い
  • 持久系スポーツで疲れにくい

VO₂maxが低い人の特徴

  • 運動習慣が少ない、または全くない
  • 安静時心拍数が高め(70 bpm以上)
  • 階段や坂道で息切れしやすい
  • 体脂肪率が高い傾向
  • 糖尿病や高血圧など生活習慣病のリスクが高まる

VO₂maxが低いと「疲れやすい」「痩せにくい」など日常生活にも影響しますが、逆に改善すれば持久力だけでなく健康全般が大きく向上する可能性があるのです。

VO₂maxはどうやって測定する?

CPX(心肺運動負荷試験)による正確な測定

CPX(Cardio-Pulmonary Exercise Testing) は、VO₂maxを最も正確に測定できるゴールドスタンダードです。トレッドミルやエルゴメーターで運動強度を段階的に上げながら、呼気ガス分析装置で吸気・呼気の酸素(O₂)と二酸化炭素(CO₂)を直接測り、1分あたりの酸素摂取量(VO₂)を算出します。

測定でわかる主な指標

  • VO₂max:最大酸素摂取量(ml/kg/min)
  • VT1/VT2(換気性閾値):乳酸が蓄積し始める・急増する強度の境界
  • RER(呼吸交換比):VCO₂/VO₂。1.10以上や心拍極大到達などは「最大努力」の目安
  • vVO₂max / pVO₂max:VO₂maxに対応する速度・パワー
  • VE, HR, SpO₂ 等:換気量、心拍数、経皮的酸素飽和度

テストの進め方(一般的な流れ)

  1. 問診・安静測定(血圧・安静HR・SpO₂)
  2. 漸増プロトコル(8〜12分で限界到達するよう設定)
    • 例:ランは速度や傾斜を1〜3分毎に漸増/バイクは25W前後ずつ漸増
  3. 終了基準:自覚的限界、RER≥1.10、VO₂のプラトー(増負荷でもVO₂が頭打ち)、年齢予測最大HR近傍など
  4. クールダウン・結果説明(ゾーン処方に落とし込み)

前日〜当日の準備

  • 前日は高強度トレを避け、睡眠を十分に
  • 測定2–3時間前の食事を最後にし、カフェイン・アルコールは控える
  • 持病や服薬は事前申告。体調不良時は延期を検討

CPXの利点

  • 直接法で誤差が最小。VO₂maxだけでなくVT1/VT2が明確になり、トレーニングゾーン処方が精緻
  • 安全に配慮した医療・運動生理の専門家監督下で実施できる

目的が「正確な現在地の把握」や「処方の最適化」であれば、まず1回はCPXで基準点を取りましょう。以降はトレーニング→再測定で効果検証ができます。

スマートウォッチやアプリでの推定値との違い

GarminやPolar、Apple Watchなどは、速度(または出力)×心拍数の関係からVO₂maxをアルゴリズム推定します(例:Firstbeat方式)。
便利で日常のトレンド把握には役立ちますが、以下の誤差要因を理解しておきましょう。

推定の長所

  • 手軽・頻回に更新されトレンド管理に有効
  • 同一条件下での相対的変化の追跡に向く

主な誤差要因

  • GPS精度(高架下・ビル街・強風・路面状況)
  • 心拍計の限界(光学式は高強度で遅延・誤差が出やすい)
  • 環境(暑熱・脱水・睡眠不足・標高・カフェイン等でHR反応が変動)
  • 運動様式依存(ランで校正されたモデルは、トレイル・インターバル・坂・室内ランや別競技ではずれることがある)
  • 測定要件一定強度の連続走が必要。短いインターバル中心だと学習が進みにくい)

結論

  • ウォッチのVO₂maxは便利な参考値
  • 処方・強度決定や安全確認はCPX基準が最適。
  • 同じ機器・コース・時間帯で傾向(上昇/停滞)を見るのが賢い使い方。

自宅でできる簡易的なVO₂maxチェック方法

医療機関やラボに行かずに、目安を知るための方法です。正確さはCPXに劣りますが、定点観測には有効。必ずウォームアップを行い、体調万全・安全第一で実施してください。

1) クーパー12分走(陸上トラックや平坦コース)

  • やり方:十分にアップ後、12分間の全力持続走。走破距離(m)を記録。
  • 推定式(代表例)
    VO₂max(ml/kg/min) ≈ (走破距離[m] − 504.9) ÷ 44.73
  • ポイント:風の弱い日、フラットなコース、信号のない周回路で。ペース配分は負荷一定を意識。

2) ロックポート1マイル・ウォーク(ランが苦手な方向け)

  • やり方:1.6km(1マイル)をできる限り速歩。ゴール時の心拍数所要時間を記録。
  • 推定式(原法)
    VO₂max = 132.853 − (0.0769×体重[lb]) − (0.3877×年齢) + (6.315×性別:男1/女0) − (3.2649×時間[min]) − (0.1565×ゴールHR)
  • ポイント:心拍計を使用。平坦路で実施し、会話困難な“速歩”まで上げる。

3) 3分ステップテスト(最小限の器具で)

  • やり方:台(高さ約30cm)を毎分24回のテンポ(メトロノーム96拍/分:上↑↑/下↓↓で4拍)で3分昇降。終了直後〜1分間の心拍回復を計測。
  • 評価:回復が速いほど心肺持久力良好。VO₂maxを厳密に出す式は施設差があるため、同条件での比較に向く。

4) サイクリスト向け:簡易サブマックス(固定ローラー)

  • やり方:10分アップ→5分全力(ベスト持続)→平均パワーを記録。
  • 目安:5分平均パワーはpVO₂maxに近い指標。体重当たりW(W/kg)の変化を追うと、VO₂maxトレンド把握に有効。
  • 注意:個人差が大きいので厳密な換算は不可。あくまで同一環境での推移を見る。

注意・安全:高血圧・心疾患リスクのある方、最近体調不良の方は自己テストを避け、医療機関や専門施設での評価を。屋外テストは路面や天候、交通に十分配慮してください。

VO₂maxを上げる方法【科学的アプローチ】

VO₂maxを上げる方法【科学的アプローチ】

VO₂maxは大きく 中枢(心拍出量・血液の酸素運搬)末梢(筋の毛細血管・ミトコンドリア・酸素利用効率) の両面の適応で高まります。
したがって、高強度の有酸素刺激+持続的ボリューム+動作効率の改善+回復・栄養 を組み合わせるのが最短ルートです。

有酸素運動(インターバル・LSD・テンポ走)

目的別に“役割”を分けて処方します。心拍ゾーンは目安(HRmax基準)です。

1) VO₂maxインターバル(中枢直撃)

  • ねらい:心拍出量の上限を押し上げ、VO₂maxそのものを改善
  • 例①:3〜5分×4〜8本(RPE8–9、HRmax 90–95%、レスト=同時間ジョグ)
  • 例②:30秒/30秒 × 10〜20本(Billat法、vVO₂max付近で)
  • ランはトレッドミルで傾斜0–2%・または軽傾斜を活用。呼吸は強いがフォームは崩さない範囲で。

2) テンポ走/SST(閾値引き上げ)

  • ねらい:LT/AT(乳酸が溜まり始める強度)の右シフト → 同じVO₂でより速く・長く
  • 例:20〜40分連続HRmax 80–88%、会話は途切れるが維持可能)
  • 自転車ならFTPの88–94%で2×20分なども有効。

3) LSD(ロング・スロー・ディスタンス:末梢基盤)

  • ねらい:毛細血管・ミトコンドリア増加、脂質代謝の動員、回復促進
  • 例:60〜120分HRmax 60–70%、鼻呼吸〜会話可能)
  • 週1本入れるだけで、インターバルの耐性が上がります。

4週間ミニブロック例(週4回)

  • 週1:VO₂maxインターバル(3–4分×5〜6)
  • 週1:テンポ走 30分(またはSST 2×20分)
  • 週1:LSD 90分
  • 週1:補強・フォームドリル(流し4〜6本を添える)
    → 3週積み上げ+1週リカバリー(量を−30〜40%)が基本形。

筋トレと心肺機能の関係

筋トレ単独でVO₂maxが大幅上昇するわけではありません。ただし、ランニングエコノミー(燃費)出力維持力 を高め、結果として同じVO₂でより速く走れる=競技パフォーマンスが向上します。

推奨メニュー(週2回/30〜45分)

  • 重め×低回数:スクワット/デッドリフト系/ステップアップ/ランジ(80–90%1RMで3–5回×3–5セット、休憩2–3分)
  • 補助:カーフ、ヒップヒンジ、体幹安定(プランク、デッドバグ)
  • プライオ(任意):ボックスジャンプ、バウンディング(各10〜20回×2–3)

ポイント

  • ランの質を優先し、高強度ランの前日は重い脚トレを避ける
  • 8–12週の継続でエコノミー2〜8%改善が見込めるケースも。
  • ケガ予防(腱・筋の耐性)が上がり、インターバルの継続性が増します。

低酸素トレーニングによる効果(エビデンス紹介)

常圧低酸素(FiO₂ 14–16% ≒ 2,000–2,500m相当) での運動は、

  • EPO↑ → 赤血球量・Hb↑(酸素運搬)
  • 毛細血管新生・ミトコンドリア機能↑(酸素利用)
  • 換気効率↑(呼吸器適応)
    を同時に促し、VO₂maxの効率的な上昇が報告されています。

代表的エビデンス(要約)

  • Dufour 2006:低酸素下インターバル7週でVO₂max +7%(常酸素は+1〜2%程度)。(*1)
  • メタ解析 2023(Frontiers in Physiology):低酸素トレ群のVO₂maxが平均 +4.5% 改善。(*2)
  • Puype 2013:低酸素IHTでクエン酸合成酵素など酸化酵素活性↑。(*3)
  • Lundby 2009PGC-1α 経路を介したミトコンドリア新生促進。(*4)

(*1)Exercise training in normobaric hypoxia in endurance runners・J Appl Physiol. 2006 Apr;100(4):1238-48.

(*2)Sprint Interval Training in Hypoxia Stimulates Glycolytic Enzyme Activity JOKE PUYPE1, KAREN VAN PROEYEN1, JEAN-MARC RAYMACKERS2, LOUISE DELDICQUE1,and PETER HESPEL11・Exercise Physiology Research Group, Department of Kinesiology, KU Leuven, Leuven, BELGIUM; and 2 Institute of Neuroscience, Universite´ catholique de Louvain, Brussels, BELGIUM

(*3)Sprint Interval Training in Hypoxia Stimulates Glycolytic Enzyme Activity・Joke Puype, Karen Van Proeyen, Jean-Marc Raymackers, Louise Deldicque, Peter Hespel・Medicine & Science in Sports & Exercise(MSSjournal)2013

(*4)Murray, A.J. Metabolic adaptation of skeletal muscle to high altitude hypoxia: how new technologies could resolve the controversies. Genome Med 1, 117 (2009). https://doi.org/10.1186/gm117

常圧低酸素環境におけるランニングでの推奨プロトコル例

  • 低酸素インターバル:4分(テンポ〜VO₂域)×4〜6本/レスト2–3分ジョグ
  • 30/30法:30秒速め+30秒イージー × 10〜16本
  • ビルドアップ:20〜30分で段階上げ(Z2→Z3→Z4)
    頻度:週1〜2回、期間:3〜6週間。通常環境のテンポ・LSDと組み合わせると相乗効果。
    安全:SpO₂の急低下・めまい・頭痛があれば即中止。初回は控えめ設定で。

栄養・睡眠・生活習慣の工夫

栄養・睡眠・生活習慣の工夫

トレーニングで得た刺激を成果につなげるには、回復と栄養が欠かせません。ここを疎かにすると数値は伸びません。

栄養

  • 鉄(フェリチン):赤血球づくりに必須。30–50 ng/mLを目安に。
  • たんぱく質:1日あたり体重×1.6g(高強度期は2.0gまで)。運動後は20–40gを素早く。
  • 炭水化物:高強度前は体重×1–3gを2〜3時間前に。日ごとに“多い日・少ない日”を調整。
  • 水分・電解質:体重の2%脱水でパフォーマンス低下。発汗量に応じて1時間あたり500–800ml+電解質。
  • サプリ(任意):カフェイン(3mg/kg)やビートルート(硝酸塩)はレース前に有効。
  • 抗酸化:果物・野菜から。サプリは取りすぎ注意(適応を妨げる場合あり)。

睡眠・回復

  • 睡眠は7〜9時間。寝室を暗く静かに。
  • 高強度系は48–72時間空けて再実施(超回復を待つ)。
  • 3〜4週目に練習量を30〜40%減らすとオーバートレーニング予防に。
  • HRVや安静時心拍をモニターして疲労管理。

よくある質問(FAQ)

VO₂maxは年齢とともに下がるの?

結論:下がります。ただし“どれだけ下がるか”は生活習慣とトレーニングで大きく変えられます。
一般的には、30歳以降は10年で約5〜10%低下すると言われます(不活動だと低下幅は大きくなりがち)。主な要因は以下です。

  • 最大心拍数の低下(目安:年あたり約0.7 bpm)
  • 心拍出量の減少(拍出力・循環血液量の低下)
  • 筋量・毛細血管・ミトコンドリアの減少(末梢の“使う力”の低下)

一方で、トレーニング習慣のある人は低下率を3〜5%/10年程度に抑えられるケースが多く、同年代平均より10〜20 ml/kg/min高い水準を保つ例も珍しくありません。

今からできる対策(実践版)

  • 週1〜2回のVO₂max系インターバル:3〜5分×4〜6本(レスト同時間ジョグ)
  • 週1回のテンポ走/SST:20〜40分(LT付近)
  • 週1回のLSD:60〜120分(会話ができる強度)
  • 週2回の筋トレ:脚主動のコンパウンド+体幹(エコノミーとケガ予防)
  • 栄養と回復:鉄・たんぱく質・睡眠7〜9時間、体重管理
    これらを組み合わせることで、加齢による低下を最小化し、場合によっては向上も狙えます。

VO₂maxが高ければ必ず速く走れる?

結論:いいえ。VO₂maxは“土台”であって、勝敗は他の要素との掛け算です。
持久系パフォーマンスは概ね、
パフォーマンス ≈ VO₂max ×(閾値%)×(動作の経済性)
で説明できます。

  • 閾値%(LT/AT/VT2):VO₂maxの何%を長く維持できるか。マラソンでは70〜85%が理想域。
  • ランニングエコノミー:同じ酸素量でどれだけ速く走れるか(フォーム・筋腱の弾性・接地)。
  • その他:ペース配分、栄養補給(炭水化物・水分・電解質)、暑熱順化、メンタルなど。

  • A選手:VO₂max 70、閾値70%、エコノミー普通
  • B選手:VO₂max 62、閾値85%、エコノミー良好
    Bが勝つケースは十分あり得ます。

実践の要点

  • VO₂maxインターバル(中枢)+テンポ走で閾値右シフト筋トレ・ドリルで経済性改善を同時進行。
  • レース仕様の補給・ペース戦略を練習で再現しておく。

VO₂maxは何歳からでも上げられる?

結論:上げられます。年齢により上昇幅は異なりますが、適切な方法で“確実に”改善します。

  • 未トレーニー/再開層(8〜12週):+10〜20%の改善も現実的。
  • トレーニング経験者(8〜12週):+5〜10%が目安。
  • 中高年(60〜75歳):HIITやテンポの導入で+8〜15%の報告多数。

安全かつ効果的に進めるコツ

  1. 現在地の把握:可能ならCPX(心肺運動負荷試験)でVO₂maxと閾値を測定。
  2. 段階的負荷:週総量は10%ルール(前週比で増やしすぎない)。
  3. 強度のブレンド:VO₂max系(短時間高強度)+閾値系(中強度持続)+LSD。
  4. 2〜3週積み上げ+1週リカバリー:過負荷→適応→回復のサイクルを作る。
  5. 補強・睡眠・栄養:筋力・可動域の底上げ、睡眠7〜9時間、鉄・たんぱく質・炭水化物の最適化。

オプション:低酸素トレーニング
常圧低酸素(標高2,000〜2,500m相当)でのランニングを週1〜2回取り入れると、+4〜7%のVO₂max改善が期待できるという研究報告(*1)もあります。限られた時間で効率を求める人に有用です。

(*1)Huang, Z., Yang, S., Li, C. et al. The effects of intermittent hypoxic training on the aerobic capacity of exercisers: a systemic review and meta-analysis. BMC Sports Sci Med Rehabil 15, 174 (2023). https://doi.org/10.1186/s13102-023-00784-3

まずは4週間トライ(例)

  • 週1:3〜4分×5本(VO₂域)
  • 週1:テンポ走30分
  • 週1:LSD 90分
  • 週2:筋トレ30〜45分(下肢・体幹)
    → 休養・栄養を整えつつ、同一ペースでの心拍が−3〜5bpmなら順調。8〜12週で再評価を。

まとめ|VO₂maxを理解し、効率よく持久力を高めよう

まとめ|VO₂maxを理解し、効率よく持久力を高めよう

重要ポイントの整理

  • VO₂max=最大酸素摂取量。持久力の“基礎性能”であり、レースの粘り・日常の疲れにくさ・健康寿命に直結。
  • 測定はCPXが最も正確。ウェアラブルのVO₂maxは傾向を見る参考値として活用。
  • 伸ばす4本柱:①VO₂インターバル(中枢適応)②テンポ/LSD(末梢適応)③筋トレ(経済性・出力維持)④栄養・睡眠・回復(適応の固定化)。
  • 低酸素トレーニング(常圧 2,000–2,500m相当)を週1–2回ブレンドすると、研究的にVO₂maxが約+4〜7%向上が期待(個人差あり)。
  • 実務KPI(4週間で目安)
    • 同一ペースの平均心拍:−3〜5 bpm
    • 5分全力の平均速度/出力:+2〜4%
    • テンポ走のRPE:同距離で楽に、同RPEで速く
  • リスク管理:高強度の連投を避ける/体調不良時は中止/鉄不足(特にフェリチン)に注意/睡眠は7–9時間を確保。

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🏠 店舗情報


店舗名: 高地トレーニングスタジオ SOLERA 京都四条烏丸店
所在地: 〒600-8411 京都府京都市下京区水銀屋町620COCON KARASUMA3 階
最寄駅: 地下鉄烏丸線「四条駅」直結、阪急京都線「烏丸駅」直結
電話番号: 075-205-5044
営業時間: 平日 8:00〜21:00/土日祝 8:00〜19:00
定休日: 毎月5日・15日・25日

✔ [Googleマップで場所を確認する]

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